私のお気に入りのアニメです
絵柄に癖はありますが、美しくも幻想的な世界観は見ているだけで圧倒されます
原作は菊池秀行の怪奇SF小説【吸血鬼ハンターD】
原作が発表されたのは1983年。しかもまだ続いてます
菊池秀行の小説といえば『妖獣都市』も有名ですね。同名タイトルでアニメ化されてます。監督は本作と同じ川尻善昭
ちょっとエッチなアニメで少年の頃にかぶりついて見たのを覚えてます
実は私、吸血鬼ハンターDを読んだことがありません。でも表紙に天野喜孝のイラストが使われているので作品は知っていました
参照 スクウェア・エニックス
天野喜孝はファイナルファンタジーのイラストも描いていたのでゲーム好きなら知らない人はいないでしょう。またタイムボカンのキャラデザインを担当していた人でもあります
個展もよく開かれているので、おっさん世代なら必ずどこかであの独特なタッチを目にしてると思います
話を戻します。本作は劇場アニメとして2000年に公開されました。制作会社はマッドハウス、アニメ界では有名な会社です。この会社の作品で私がすぐ思いつくのは『はじめの一歩』とか『サマーウォーズ』かな、他にも有名な作品を多数作ってるはず。
あと恐らくですが昔はエロアニメを作っていた気が……
劇場公開はアメリカの方が先です。
あちらでは非常に人気のある作品で、4年前にはフルCGによるアニメ化の話が持ち上がったほどです
実現するなら非常に楽しみです
私がこの作品を初めて見たのは半年前
その時は驚きましたよ。何だこりゃですよ
映像がメチャメチャ綺麗なんです。綺麗っていうか美麗? 20年前の作品ですよ
丁寧に描かれたキャラや風景、町並がアートにすら見えました。音響効果もやたらと上質
天野さんの繊細なタッチをここまでアニメに近づけることができたのはすごいの一言です
古さを全く感じませんでした
映像技術に詳しくないのですが、たぶんCGも使われてます。随所に奥行きのあるシーンが展開されていたので
しかしこの作品の魅力は映像美だけじゃありません。
幻想的な世界観と哀しい吸血鬼の物語が絶妙にマッチしたアクションゴシックホラーであり、一度見たら印象に残り続けるとこと間違いなしのアニメです
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あらすじ
遥か未来の地球。魔物が跋扈する荒廃した世界
長きに渡る貴族(吸血鬼)支配は人類の反乱によって衰退の一途をたどっていた
それでもなお絶大な力と科学力を持つ貴族。彼らは辺境において人類の脅威として厄災をばら撒き続けていた
そんな貴族に対抗する存在として現れたのがハンターと呼ばれる人々でした。彼らは特異な能力と技術を駆使して貴族や魔物を駆逐するべく戦いに明け暮れています
主人公であるDもその1人です。彼は貴族と人間の間から生まれた半吸血鬼(ダンピール)
ある日、Dは貴族マイエル・リンクにさらわれた名家の少女シャーロットの救出を依頼されます
さっそくDは2人の乗る馬車を追い、マイエル・リンクと戦うことに
ところが戦闘中にDは2人の思わぬ事情を知ってしまい……
見所
私は原作を読んでないので予備知識がまったくない状態で見ました。まず圧倒されたのはその世界観です
魔物が跋扈する近世ヨーロッパのような世界。しかし郊外にひっそりと点在するのはSFばりの未来建築が朽ちて遺跡となった姿。荒野には巨大で幻想的な魔物が群れをなしています
それもそのはずです。舞台は西暦12000年。数千年前に核の炎によって人類が滅びかけた後の世界です。自然は豊かさを取り戻しつつありますが、人々は古い文化と未来的な武器が融合した世界を生きています
ね、聞いてるだけでワクワクするでしょ
本当はこんな記事なんて読まずにすぐにアニメを見て欲しいくらいです
原作を知ってる人は私とは違った楽しみ方が出来るでしょう。私は何も知らない人が見てこの世界観に度肝を抜かれて欲しいという気持ちがあります
貴族と戦うDはダンピールなので貴族はもちろんのこと人間からも忌み嫌われる存在です
また彼は不老不死でもあります。すでに長過ぎる時を生き、せっかく知り合いになった人間が老いて死にゆく姿を数えきれぬほど見届けてきたでしょう
そんな訳でDは見た目が若い癖に仙人みたいに達観した雰囲気を放っています
女性的な美しい顔でびっくりするくらい寡黙です。かわりに彼の左手に憑いた人面疽がよく喋ります
ね、見たくなったでしょ
またこのアニメには様々な能力を持ったハンターや異形キャラが登場して戦いで楽しませてくれます
伸縮自在のハンマーを操る怪力男、薬物を投与されることで幽体離脱してレーザーを乱射しまくる男、樹木と一体化する能力を持った美女。
他にも訳がわからないキャラが多数登場して出すぎじゃないかと突っ込みたくなります
しかし作画が綺麗なので戦闘シーンには迫力がありますよ
主人公の物静かな雰囲気と激しい戦闘シーンが絶妙なバランスで描かれていて、荘厳な絵画のように見えてしまう美しさに痺れます
ヒロインは2人が登場します。吸血鬼を愛してしまった少女と親を吸血鬼に殺された少女。
彼女たちの存在が物語を美しくも哀しく彩ります。エンディングシーンは必見です
あの終わらせ方はズルいと思う。嫌でも印象に残るもの
まとめ
私はこのアニメをお客さんに勧められて見ました。正直言うと絵柄が独特なのでちょっと見るのを躊躇ってました
でも見て良かったと思いましたよ、本当に
食わず嫌いはいかんですね。反省です
興味がわいたら是非見てください。いつまでも印象に残る良いアニメでした
一応念を押しとくと、1987年頃にもヴァンパイアハンターDはアニメ化されています。そっちはイマイチ、なので間違えないようにしてください
おしまい