1999年に公開されました
映画好きの評価が非常に高い映画です。有名な映画? ってことになるんでしょうかね
パッケージを見てもらえばわかると思いますが、ティム・クック、シガニー・ウィーバーやアラン・リックマン(ハリポタのスネイプ先生)といった一流俳優が出演してます。
にも関わらずB級感が漂いすぎたパッケージのせいで敬遠され、誰もが知ってる映画ってわけでもない
素晴らしいオタク映画です
内容は往年のSFドラマ「ギャラクシー・クエスト」を観た宇宙人たちがドラマを本物の映像だと勘違いしてしまい、自分たちの窮地を救ってもらおうと俳優たちに助けを求めるストーリー
俳優たちは流されるままに異星人同士の宇宙戦争に巻き込まれてしまいます
控えめに言って
クッソ面白いSFオタク映画です
「スタート・レック」へのオマージュ映画でありパロディ映画でもあります
でもそんなこと知らなくても十分楽しめますよ。知っていればもっと楽しめます
自分は何度も観てますが、この映画を観る時は終始ニッコニコですよ。ウキウキワクワクです
作品には『オタク』や『スタート・レック』をおちょくった小ネタがふんだんに盛り込まれています。でも愛情もヒシヒシと感じるんですよね
的確な突っ込みって相手のことをちゃんと理解してないとできませんから
ホロリとするシーンもあるし、最後には「イエス!」とガッツポーズをしたくなる爽快感、そんな映画
オタクを描いているので同じコンセプトで日本人にも作れそうな映画かな、と思っちゃいますが、こういうノリは欧米人のカラっとした雰囲気の方が合ってる気がします
ハリウッド映画ならではということでしょうか
ちょっと話がそれます
私の身勝手な持論ですが、映画でオタクを描く時、容姿は悪い方が良い
なぜならオタクの格好良さは対象物に対する愛情や知識を丁寧に描くことで発揮できるものだと考えているからです。ギャラクシー・クエストのオタクがまさにそれ
オタクでもカッコ良い人はいる? そんな超例外は要らんのですよ
っていうかカッコ良い時点でオタクじゃないから。そんなの認めんから
日本のドラマに登場するオタクは、あいも変わらずフィギアやアニメDVDを並べて、イケメン俳優に冴えない風貌をさせて早口で知識を羅列させるだけのステレオタイプ
舐めてますね。リュックに丸めたポスターを差していればオタクですか、そんな奴はもういませんよ
オタクの先進であるクールなジャパンをしてこれですよ
カードショップで小学生に混じって『デュエル・マスターズ』とか『マジック・ザ・ギャザリング』のアルバムを捲り、金に物を言わせて威嚇して圧勝するのがオタクの所業でしょ
あの人たちマジで子供相手でも容赦しませんからね
素でガキんちょを泣かせる大人とか生まれて初めて見ましたよ
あるいは『コードギアス 反逆のルルーシュ』よりも『アルドノア・ゼロ』の方が面白かったとか言っちゃう輩がいれば、地の果てまで追いかけ回して泣くまで論破するのがオタクですよ
アニメ板にそんな事を書き込めばインする気力を無くすほどの袋叩きにしてくれます
趣味が絡めば狂戦士化する彼らはダサ過ぎて素敵
それでも私はアルドノア・ゼロの方が面白いと思いますけどね
すみません、話がズレてますね先に進みましょう
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あらすじ
20年前に放送されたSFドラマ「ギャラクシー・クエスト」は宇宙探査局の宇宙船、プロテクター号に乗り込んだ乗組員が宇宙をまたにかけて活躍する冒険活劇
番組はカルト的な人気を誇っていましたが、4年で終了してしまいます
その後の俳優たちのキャリアは冴えないものでした
誰もが俳優として鳴かず飛ばず
しかしギャラクシー・クエストには、いまだに根強いマニアやファンがそれなりに存在していました
おかげで俳優たちはそんなファンが開催するイベントに呼ばれることで、どうにか生計を立てることができたのです
イベントに参加すれば彼らをファンが取り囲み、熱烈に歓迎してくれる。ファンは嬉しそうにサインをねだり、キメ台詞の「ネバーギブアップ ネバーサレンダー」を叫ぶ
でも俳優たちにしてみればいつまでも『過去の栄光』を突きつけられているようで非常に居心地が悪い。生活のために邪険にはできないけど、どうしても対応が素っ気無くなっちゃう
そんなある日、艦長役の俳優であるジェイソンの家に不思議な身なりをしたファンが訪れます。サーミアン星人だと名乗る彼らは、艦長であるジェイソンに助けを求めて遥か遠い宇宙からやって来たのでした
サーミアン星人は宇宙でたまたま受信した『ギャラクシー・クエスト』を歴史的事実を収めたノンフィクションだと思っていたのです
彼らにとってジェイソンは正義のヒーロー。自分たちの窮地を救ってくれるプロテクター号のタガート艦長そのものでした。タガート艦長なら残虐なサリスに太刀打ちできるはず
二日酔いで寝ぼけていたジェイソンは言われるままにサーミアン星人の宇宙船に乗り込み、脅迫してきたサリスの戦艦にミサイルとか色々ぶっ放して総攻撃をしかけてしまう
ジェイソンは寝ぼけていたし宇宙人なんて信じていないのでテレビ番組のリハーサルだと思ってました
激おこプンプンのサリスは大将まで現れて全面戦争へと突入してしまう
果たしてサーミアン星人の運命やいかに
みどころ
サーミアン星人は嘘や欺瞞という概念を持たない純粋な種族です。だからこそ娯楽番組を本気で信じてしまった
サリスとの長い戦争で疲弊した彼らはギャラクシー・クエストの映像を手に入れたことで生きる希望を見出します
そこに描かれた人間社会は差別や争いのない完璧な世界。プロテクター号の乗組員は危機に立ち向かう勇気と仲間を思うチームワークに溢れた存在です
サーミアン星人は映像を参考にして自らの社会規範を立て直すことに成功します
つまり彼らにとってギャラクシー・クエストは聖書にも等しい存在なわけです
サーミアン星人に憧れの眼差しで見つめられたジェイソンはギャラクシー・クエストがただの娯楽番組で自分は艦長じゃないと言い出せなくなってしまいます
ジェイソンだけじゃありません。サーミアン星人にスカウトされた他の俳優たちも同じです
それまで『作り物の番組』に熱狂するファンをどこか醒めた目で見ていた彼らは、サーミアン星人の前で立派な乗組員を演じなくてはなりません
そんな皮肉なお話に花を添えるのが宇宙船の存在です
サーミアン星人はギャラクシークエストを参考にして宇宙船の構造や外観をプロテクター号と寸分違わずそっくりに仕上げていました
お膳立ては完璧。さあ行きましょう艦長ってわけですね
この宇宙船の存在が地球のオタッキーたちとジェイソンを結ぶキーにもなります。彼らの協力プレイは必見です
こういう風にテレビで憧れた武器や宇宙船が実物として目の前に現れるシーンには、映画にも関わらず鳥肌が立ちますね。自分もオタクだなって実感しました
なんだか真面目な紹介になっちゃいましたが
この映画はSFコメディーです
番組で輝いていた頃から20年経った設定なのでほとんどの俳優が中年です
シガニー・ウィーバーなんて50歳なのにお色気要員だったりします
この手の映画のお約束、「なんで服がそんな破れ方をするの!?」
って感じで胸元が破けてセクシーな姿を披露してくれます
それにしても不思議なんですけど、私には彼女が若い頃より色っぽく感じてしまいました。オッパイだけの話じゃなくて雰囲気が
ちなみにシガニー・ウィーバーの宇宙船での役割は艦長の指令を復唱して宇宙船に伝えること
あるいは宇宙船のメッセージを復唱して艦長に伝えること
他の乗組員が彼女の復唱を聞いて鬱陶しそうにするのですが、その態度にシガニーウィーバーはめっちゃキレます
「仕方がないじゃない! これが私の仕事なんだから」
なんのこっちゃと思うかもしれませんが、SF映画あるあるです。こういう小ネタがいっぱい詰まってます
それと最初に言いましたが乗組員にはアラン・リックマンがいます。ハリポタのスネイプ先生ね。我々オッサン世代だとダイハードの悪役と言った方がわかるかも
彼はプライドの高い俳優という役柄です。口癖のように
「元舞台俳優だぞ」「シェイクスピアまでやったのに……」
と愚痴を言ってます
面白いのがアラン・リックマンは映画俳優になる前は本当に舞台俳優として活躍してたってことですね
素の発言みたいでちょっと面白い
まとめ
B級っぽいけどB級じゃない
メインの3人以外にも若かりしサム・ロックウェルが出演してます
宇宙人のデザインは超有名デザイナーであるスタンウィンストンが担当です
『ターミネーター2』や『エイリアン2』も手掛けた人。他のも沢山の有名作品に関わってます
無理やりB級の皮を被ってるけど面白さが滲み出ちゃってる映画? かな
ネバーギブアップ! ネバーサレンダー!
このキメ台詞、ださいのに段々とカッコ良く感じてしまう不思議。作品のテーマに合ってるからかな
そうですね、この作品を一言でいうなダサ恰好良い
始めは腐ってた俳優たちがみんな一生懸命になるから見終わった後は素敵な爽快感しか残りません
それこそ20年前に観てから、今見ても変わらず面白い素晴らしい映画です
興味を持った人はぜひ観てね
おしまい