連休って意外と仕事が暇なんですよね
そんなわけで
常々モテたいと思ってる私は女子の求める男性像をチェックしてみました
もちろん頼るのはグーグル先生です
- 身長が173センチ以上
- 清潔感がある
- やさしい
- 稼ぎがある
- 自分の話をしっかり聞いてくれる
などとほざいたサイトばかり表示されましたよ
私は全ての条件をクリアした完璧超人ではありますが、この現状は日本男児としてどうなんでしょうね
どのサイトの記事を読んでみても、挙げられている男性像には男らしさが感じられないのです。というより求められていない?
女性は男性に守ってくれる力強さよりも癒しを求めているように感じました
少し前は草食系男子なんて言葉も流行りましたね。その後には仙人系男子なんて言葉もありました。どちらも女性に積極的でない男子という意味では共通しています
一言で表すなら『金〇ついてんのかよ男子』です
しかし今やジェンダーレスの時代。萎えた男が求められる時代なのかもしれません
おまけに男がかっこ良いと思う男も多様化したとかで、男性用ファンデーションや色つきリップが売れているらしい
【近ごろ都に流行るもの】「メンズコスメ」理想の男性像多様化 個性生かして「より美しく」(1/3ページ) - 産経ニュース
上記の記事を完全に信じているわけではありません。マスコミがありもしない流行を作るのはよくあること
しかし
・・・なんていうか、昨今の風潮には男らしさを主張しにくい雰囲気を感じるのは事実
ここで言う男らしさとは、男の矜持、つまり雄っぽさのこと
『男子たる者は・・・』『男だったら女子供を守らねば・・・』などと男子の本懐を声高に叫べば暑苦しいヤツだと敬遠される、あるいはシラけられる
もちろんこれからは多様化の時代です。色々な男らしさがあってしかるべき
しかし
色々ないよね? 理想の男性像が悪い意味で固定化されてるような・・・
そんな現状を勝手に憂えた私は、軟弱な理想の男性像に風穴を開けてやることにしました
具体的に何をするのかというと、私はブロガーなので理想の男性像とググると
スネーク・プリスケン(カート・ラッセル)が上位に表示されるように頑張ってみようと思うのです
イケメンのスネーク・プリスケンは映画「ニューヨーク1997」「エスケープ・フロム・LA」の主人公です
ニューヨーク1997は1981年公開、エスケープ・フロム・LAは1996年公開
一応エスケープ・フロム・LAはニューヨーク1997の続編っぽい部分がちょっとだけありますが、リメイク作品と言っていいです。単体でも楽しめるように作ってあるので無理してニューヨーク1997から観る必要は全くないです
両方ともジョン・カーペンター監督の作品です
は、誰それ? って人に説明すると『ゼイリブ』『ゴーストハンターズ』を監督した人ですよ。わくわくする世界観の映画を作る監督です
両作とも私が子供の頃に大好きだった映画
特にゼイリブは日曜洋画劇場で繰り返し放送されたのでおっさん世代は知ってる人も多いのでは
主人公が特殊なサングラスをかけて町の住人を見ると、なんとその正体は地球を侵略したエイリアンだった! こりゃたまげたぜ!
という話です
これだけ説明してもジョンカーペンターを知らんと言う人なんてこっちこそ知らん!
口の悪い人は荒唐無稽な馬鹿映画を撮る監督って言うけど、本当は凄い芸達者な監督なんだぞ
……まあいいでしょう
今回はエスケープ・フロム・LAの画像を使いながらスネークの魅力を語ります
どうですこの風貌、
惚れるよね
眼帯ですよ。無精ひげにロン毛、革ジャンにカーゴパンツ。元特殊部隊員にして伝説の犯罪者。昔は大統領を救ったこともあるのに今じゃ政府のお尋ね者ですよ
属性てんこ盛りで胃もたれしそう
▲の画像のシーンは収容所に連行されてるところ
オープニングで彼が護送車から降りる登場シーンではギターがポロロンと鳴ります。くっ、痺れる
声は常に抑え気味で渋いです
この世界のアメリカは無神論、煙草、酒、女、赤みの肉、なんでもかんでも禁止されている国です
つまりこの作品は生意気にも社会批判を描いてます。23年経った現在は世界がそういう方向に流れているので的外れじゃない
未来を予見するとはすごいぜジョン・カーペンター
スネークはそんな政府をクソッ喰らえとアウトロー丸出し、誰にも媚びません。大統領にも容赦なく無愛想
女子供も放り込まれる収容所では市民が拷問にかけられているのですが、彼は気にする素振りがありません
平然と通り過ぎていくその姿はマジCool
ちなみにスネーク、お腹には蛇の入れ墨があります
この映画は1996年の映画、つまり今から23年前の映画です。この時代を知らない若い人が観たら
「昔はこういう男がカッコ良かったんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、冗談じゃないそれは誤解です
当時としても糞ダサいですよ。おっさんが厨二全開でアクセル回してるわけですから
私がこの作品を初めて見たのは高校生の時ですが、あまりの洗練されてなさに「え?」となったものです。というかジョン・カーペンターという監督はワザとダサいキャラを作るという話ですけど、衣装に関しては元々センスのない監督だと思う
スネークさんは4周回ってカッコ良い男なのです
彼はクールで無駄口を一切叩きません。伝説の犯罪者なので超有名人、だからその辺の庶民から
「アンタがスネーク? 思ったより身長低いな」
とナチュラルにディスられるのですが、ガン無視です
この映画では2回も身長をディスられます。でも無視
男の中の男は身長なんて気にしないのです
こういうよくわからないやり取りもジョン・カーペンター作品の魅力
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一応簡単なあらすじ
2000年、ロサンゼルスはマグニチュード9.6の大地震に襲われます
それによってロサンゼルスは海に浸かり離れ島となってしまいました
独裁的な大統領はロスを流刑地にして犯罪者をバンバン送り込みます
2013年、そんな犯罪者の巣窟に大統領の娘が逃げ込んでしまう。彼女はロスの支配者(チェゲバラ似)にホの字になっちゃったのでした。しかも彼女は世界を破滅させる最終兵器をNASAから盗み出し、それも持って彼氏のもとへ行っちゃいました
そんなさなか、スネークが軍にとっつかまります
軍の上層部や大統領はスネークを利用することにしました
スネークは遅延性の毒を投与され、ロスに潜入して最終兵器を回収することに
タイムリミットは10時間。それまでにミッションを達成して戻ってこないと毒が全身に回って死んでしまう
渋々ロスに潜入したスネークはイカれた都市を駆け抜ける
大統領の娘は名前がユートピアです
ユートピア
なんだか変なので2回言いました
タイムリミットは10時間なのに大統領たちの無駄話のせいでロスへ向けて出発した時には、すでに残り時間が8時間になっていました
それでも文句を言わないスネークさんマジ仏陀
ロスの世界観はジョン・カーペンターらしく悪趣味で濃いキャラクターが勢ぞろい
酸性雨の降りしきる街は荒廃して世紀末感満載
整形マニアで顔が崩れるたびに人を襲ってパーツを奪う人々。恐らくセレブや俳優に対する皮肉です
チャイナマフィアとか色んなマフィアがヒャッハーしてる
裏切ってばかりの情報屋はスティーヴ・ブシェミ
パム・グリア扮するオカマは意外と綺麗
でも今回はその辺の説明は飛ばします。あくまでスネークさんの魅力を語る記事なので
スネークの魅力
自分の事をベラベラと語らない男
まず軍に捕まった理由が「仲間に裏切られた」以外に映画では語られません。何があったのか我々は想像するしかない
作中では様々な人がスネークに話しかけるのですが彼は寡黙を通します
無視されて腹を立てたチンピラが「この眼帯野郎!」とナイフを取り出せば、
あっというまに射殺されてしまう
▲のシーンは背後を振り向いてスネークが銃をぶっ放すシーンなのですが、あえてそういう状況を作ったとしか思えないほどチンピラとやりとりが冗長なのです
たまに口を開くと痺れるセリフしか言わない
軍の偉い人がスネークに「このままではアメリカの危機だ!」
と訴えれば
「……とっくに終わってる」
か、かっちょええ
ロスに逃げ込んだ大統領の娘、ユートピアはざっくり言うとニートでした。ネット三昧でしまいにはチェゲバラそっくり▼のロスの支配者に惚れてしまい単身で駆け落ち
彼女には彼女なりの事情があったようなのですが、それを聞かされたスネークはどうでもよさそうに一言
「悲劇だな……煙草はあるか?」
長い人生で一度は言ってみたいセリフです。上司に、あるいは彼女に、何か深刻そうに相談されたら
「悲劇だな……煙草はあるか?」
誰かがツイートで弱音を吐いたら
「悲劇だな……煙草はあるか?」
強いけど頻繁に窮地に陥る男
スネークさんは強いのですが、意外とおっちょこちょい
勢いだけで行動しては危機に瀕することもしばしば
しかし動じません。いつもうんざりした顔をするだけ
ロスの支配者クエボに捕まったスネークさんはランニングマシンの上に手錠で繋がれてしまいます
ランニングマシンは動いているのでずっと走り続けなきゃいけない
でもね、マシンの回転が
すごくゆっくりなんですよ
スネーク、気だるそうに走ってるだけで全然苦しんでない
しかもですね、クエボはそんなスネークを無視してアメリカ大統領に犯行声明動画を送るのに大忙し
「我々はーー」
大威張りでカメラに向かって要求を突きつけるクエボ、その後ろでダラダラと走るスネークは半分見切れてます
わざとなのか、配置をミスったのか、監督がジョン・カーペンターなので真意がわかりません
あくまで威厳を失わず、誰にも屈しないとばかりにダンディに走るスネークが見切れてる。あんまり写ってないのにひたむきに演技をするその姿
まさに男の中の漢
銃を構えた大勢の無法者に包囲されたこともあります。絶体絶命のピンチです
「ふん、チャンスをやろう」
スネークは謎の強気です。無法者たちは鼻で笑ってますよ
落ちていた空缶を拾うとスネークは言いました
「バンコク式でいこう。コイツが落ちた瞬間に抜くんだ」
バンコク式という怪しげなネーミングでスネークが持ちかけたのは、空き缶を上に投げて地面に落ちたタイミングで互いに銃を抜くというルールでした
無法者たちはなぜか素直に従って銃を下します
そして空缶を放り投げるスネーク
投げると同時に敵を撃ち殺すスネーク。ずるい
無法者はたまったもんじゃありません
全滅ですよ、こんなの
そしてカランと空缶が落下すると渋い声で一言
「抜けよ・・・」
いやいやいやいや、ええ!? ええええ??
と、とんでもないワルだぜ
よくわからん方法でピンチを脱出する男
ロスは地震が頻繁に起きます。そのため巨大な津波が定期的に起こるのですが、津波に襲われたスネークさんはピンチを
サーフィンで乗り切ります
このシーンは映画屈指の馬鹿シーンです
ちなみに奥がスネークさんで手前はピーター・フォンダです。名優をロクでもないシーンで使ってくれてます
スネークさんはこのまま悪者▼の乗る車を追いかけていくのでした
目を丸くするブシェミさん
ラストが秀逸、こんなの誰でも惚れるでしょ
最後、スネークは自分を好き勝手に利用してくれたアメリカ大統領や全世界に向けて最大級のお仕置きをします。とんでもなくぶっとんだお灸をすえたのです
全てを終わらせると落ちていた煙草に火を点け、美味しそうに吸う
そして一言
「やっと人間に戻れたぜ・・・」
くううううううる、凍えちゃいそう
このシーンは本当にカッコいいと思います。普通に考えたらスネークのやったことは悪魔よりも酷いのですが、キャラがそれを許すというか何というか、とにかく世界に一杯食わせた男
まとめ
こんなスネークさんですがコナミのゲーム『メタルギアソリッド』のスネークのモデルとなった人物です。見た目はゲームの方が恰好良い
エスケープ・フロム・LAは一作目に比べて予算をたっぷりを使って作られています。街のセットやエキストラの数はかなりの規模。ギミックも凝ってます。出演俳優はゴージャス
それでも漂うB級臭
もちろんジョン・カーペンターが真面目にふざけているからこそです
ファンはそんな作品だから好きなんですよ
面白いと思ったものはなんでもぶっこんでやろうという子供みたいな感性
それを商業映画で開き直ってやってしまう肝っ玉の太さ
景気の良いアクションシーン、漫画的な作風、イカしたハードロック、ちょっとズレてるセルフ回し
なんだかんだ言っても最後まで飽きさせずに視聴者を引きつける魅力があります
この監督だからこそ作れる痛快映画です。熱いファンがいるのも頷けます
タランティーノ監督はそれが狙ってできる人ですが、カーペンター監督は微妙に天然っぽいんですよね。狙ってる以上にダサい仕上がりになっているような、でもそこが素敵
あれ?スネークさんを褒めるはずなのに、監督を讃美してる。まあいいか
おしまい