ブログを書くようになったおかげで日常生活の中でサラッと流していた疑問を敏感に追求する癖がつきました
なぜなの? どうしてよお父さん?
などと好奇心旺盛な幼児のようにうざい顔してグーグル検索する日々
今日もそうやって謎を1つ解明したので発表しましょう
当たり前に知ってるつもりでよくわかってない事象ってあるよね
魚が水面に口を寄せてパクパクしてることがありますよね、理由を皆さんはご存知ですか?
そりゃ酸素を求めて呼吸してるからでしょ。見りゃわかるじゃん
って思いますよね。実際その通りなんですけど、例えば▼の写真を見てください
すみません、慌てて撮影したので指が写ってますね
これは私の職場の近くにある用水路です。わかり難いかもしれませんが小型の魚が水面で口をパクパクさせてます。かなりの数です
ちなみに撮影したのは7月の終わり、夏真っ盛り。ていうかさっきのことです
魚はコイに似てるけど微妙に違う、淡水魚なのはたしかです。コイの亜種かも。近所の人はハス(コイ目コイ科の魚)と言ってましたけどアル中なので信用できません
この魚たちはなぜ酸素を求めて水面で呼吸をする必要があるのでしょうか?
だって魚はエラ呼吸をする生き物でしょ
エラ呼吸とは口から吸い込んだ水をエラに通すことで水中の溶存酸素を取り込む呼吸法です。いちいち水面に頭を上げて呼吸する必要はないはず
と、まあ。こんな感じで疑問を持ったわけです
しかも魚がこういう呼吸をしているのは夏の晴天日だけ。他の日は気持ち良さそうに泳ぎ回ってます。そこにも何か理由があるのではないか、と考えたのです
世間では常識なのかもしれませんが、私はわからんかったので調べてみました
水温が上がると水中に含まれる酸素が減る
魚はエラ呼吸なので水中に含まれる酸素が少なければ酸欠になります。つまり魚であっても溺れてしまう
水に溶け込む酸素を溶存酸素と言います。溶け込むといっても実際には酸素と水分子は一体化しているわけではない
水を鍋に入れて火をかけると沸騰しますよね。あれは水分子が熱を受けたことで動きが活発化して、水に含まれた酸素をはじき出す現象です
沸騰までさせなくても、水を入れたコップを熱い日射しの下に置いてしばらくすると水中から気泡が立ち昇ります。あれも同じ現象です
水温が上昇すると水に含まれる酸素量が減ってしまうのはそういう理由です
さらに30℃くらいを境にして水中のプランクトンが元気に動き出します
活発になったプランクトンは有機物を分解するわけですが、当然彼らも生物なので活動するためには酸素が必要です
つまりプランクトンが張り切って活動するほど水中から酸素が減ってしまう
子供の頃に授業で『赤潮が起きると魚が酸欠で大量死』すると習いましたが、こういう理由だったんですね。当時は何も考えずに丸暗記してたので原因までは考えていませんでした。反省
細かい事を書けば他にも沢山の要素がありますが、とりあえずここまで
つまり夏場の用水路で魚がパクパクしている理由は
水温の上昇とそれに伴うプランクトンの活発化によって水中の酸素濃度が薄くなったことが原因だったわけです
おお、すげえすっきりした。なんかあれですね、覚えたことをブログにまとめると理解が深まって賢くなった気分ですよ
などと考えた私は、まだまだ甘いのであります
よく考えてみればおかしな点が1つ
私が見た魚たちは口をパクパクして、空気を直接口で取り込んでいるように見えました
しかしエラ呼吸とはあくまで口から水を取り込んで、エラを介することで水中の酸素を吸収し、二酸化炭素は水に混ぜて排出する呼吸法です
つまり魚はエラ呼吸である以上、口から直接空気を吸うことはできません。それができるなら陸でも生きられますからね
なのになぜ魚は水面でパクパクと口を動かし、酸素を取り込むような動きをしてるのでしょうか?
私は調査を続行するのでした
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魚のパクパクする呼吸には多様な仕組みがある
魚の生態についてググっていると面白い記事を見つけました
空気呼吸と水面呼吸―魚が水面で口をパクパクする理由 – スマルア技研
内容を簡単にまとめると、水面でパクパクしている魚は種類によって呼吸法が違うという話です
水面呼吸 (コイや金魚、メダカ)
空気と常に触れている川の表面は多量の酸素が水に溶け合っています
水中の酸素が足りない時に、水面直下の薄い層をパクパクしてるのがコイや金魚、メダカです
つまりこれらの魚種は水面から口を出して空気を吸っているように見えますが、あくまで取り込んでいるのは表層の水ってことですね
ところが同じような動きでも、人間と同じように空気を直接とり込む、空気呼吸ができる魚もいます
空気呼吸 (肺魚、雷魚、ドジョウ)
肺魚
引用 Wikipedia
肺魚は現在アフリカや南米、オーストラリアにしか生息していません。文字通りエラ以外にも肺を持っているので肺呼吸ができる魚です。成長すると酸素の吸収は肺に頼りエラは使わなくなります
その為、水がまったくない環境でも窒息死しないという珍しい魚
雷魚
引用 釣割モバイル
雷魚は知ってる人も多いでしょう。さきほどの用水路でたまに見かけます
この魚、肺魚のように肺は持っていませんが上鰓器官という血管の発達した粘膜のヒダによって口から空気をとり込めます
そのため雷魚は水温が上がって水中の酸素濃度が薄くなると、水面から口を出して呼吸するのです。他の魚が窒息するような酸素の薄い過酷な水中でも生存できる魚です
ただし肺呼吸とは違うので陸に上がると二酸化炭素が排出できなくなり、長くは生きられません
ドジョウ
引用 Wikipedia
ドジョウも口から空気を吸えます。肺魚や雷魚とは違い腸呼吸ができます
水中の酸素濃度が薄くなると水面に口を出して空気を取り込みます。腸まで運ばれると腸壁で酸素を吸収し二酸化炭素は肛門からおならのように排出するのです
そういえばウナギもエラ以外に皮膚呼吸ができることで有名な生物ですね。あのヌルヌル皮膚のおかげで直接空気を取り込んで二酸化炭素を排出できます
調べてみたら呼吸のうち7割が皮膚呼吸で3割がエラ呼吸らしい。
皮膚呼吸の割合が高いので調理のために水から上げてもめちゃめちゃ元気に暴れ回ることができるのでしょう
まとめ
そんなわけで魚の呼吸する仕組みについて書いてみました
疑問に思ったことをこうやって筋道立てて解説してみるのはいいですね。自分の勉強にもなりました
おしまい