いつものごとく犬の散歩をしていた
近所の広大な公園をテクテクと歩く
橋を渡ると前方に2人のお爺さんが見えた。おお、ジジイが鳩の群れに襲われているではないか
まあ襲われてるというか、ただ餌付けですね。無数の鳩に纏わりつかれてますよ
お爺さんが小さな豆?みたいな餌を掲げると鳩がばっさばっさと飛んで来る
鳩はカジュアルに頭や肩に乗ってます。老人も鳩も慣れた雰囲気から察するに定期的なイベントらしい
2人ともかなりの高齢です。体格は小柄。人の良さそうな好々爺。纏わりつく鳩が多すぎて、もはや鳩に埋もれる感じになってます
意外だけど洋服が糞で汚れてないですね。躾けがしっかりできてる?。ソロモン王かな
周囲の人々は微笑ましそうにそんな様子を眺めてました
お爺さんたちが去った後も広場には沢山の鳩が残っていました
クルッポーとか言いながら芝生に撒かれた餌をついばんでますよ
我々は鳩の集団の真ん中にいました
私の犬は基本的に他の生物に興味を示しません。ていうか飼い主である私に関心があるのかも怪しい
我が犬は見た目が可愛いので、なでなでして抱きしめると嫌がる顔が可愛いので悪乗りして余計に抱きしめてしまう
すげえ嫌面されますよ
本当に嫌がってる犬は怒らずに歯を食いしばって眉をひそめることを彼女から教わりました。眉ないけど
そんなわけで犬はどうでもよさそうに鳩を眺めていました。その雰囲気が伝わるのか鳩も恐れる様子がない。結構近くまで寄ってくる。鳩に混じって鷺(サギ)もいますね
ぶっちゃけ私も鳩にはそんなに興味がないので散歩の続きへと戻ることにしました
黒い乱暴者
その場を後にしようとした時、バサバサと重量感のある羽音が降ってきました
飛来したのは大きな黒い影、カラスです
2羽のカラスはカアカア言いながら鳩を蹴散らし餌を独占。ふてぶてしく餌をついばんでます
脅された鳩たちは遠巻きになり、我々の周りはぽっかりと空間が開いてしまいました
カラスはドスドス移動しながら餌を食べ、周囲の鳩に羽を広げて襲いかかる
「ギャがー!!」
逃げまどう軽い羽音に暴力的な鳴き声が重なり合う
なんたる狼藉……許せん
「丸ちゃん! あの乱暴者をいじめて来い」
なんだったら「君に任せた!」くらい言ってもよかったのですが周囲には人がいるので一応やめておく
当然ですが犬はまったく無関心ですよ。微動だにしません。なんか急にお座りを始めたぞ、ああ、オシッコか
「丸ちゃんそれが終わったらあのカラスをぶっ飛ばしてこい」
「……」
腹が立つことにこっちをまったく見てない。今度は本当にお座りしちゃったよ
凛々しく遠い目をする犬
どうでもいいけど柴犬って風を操れそうな雰囲気がありますよね
スポンサーリンク
カラスを成敗
仕方がないので私が蹴散らすことにしました
犬が全く動こうとしないので行動は制限されるけどリードは10メートルまで伸びる。問題なし
私が追いかけるとたちまちカラスは逃げていく。うはは
「カアああ!」
なんだよ、すげえ不満そうな声だな。カラスの癖に生意気だぞ
よほど悔しいのか遠くからこちらを窺ってます。禿げたイチョウの木にとまってジーと見てる
少し経つとまたやって来た。あ、また鳩をいじめやがる。私は追い払う。
しばらくするとまたやって来た。私追いかける。カラス逃げる。また……以下その繰り返し
小癪なカラスです。私が何度も追い払っているうちに遠くまで逃げなくなりました
それどころがチキンレースでもするかのように退避距離が縮まってる
私が行動できる範囲を見抜いたのです
しまいには追い払っても見切ったように軽く飛んで二メートル程度しか離れない。おいコラ、舐めすぎだろ
だいたいもし俺が犬を引きずって攻撃範囲を広げたらどうするつもりなんだ
まあ犬はテコでも動かない雰囲気を出してますけど
おかげで私が深追いしたらリードがピンと張ってガクンとなるよ。これじゃあどっちが飼い主かわからん
カラスどもは我々の信頼関係に綻びがあることを気づいているらしい。余裕をぶっこいているのです
しかも数がいつの間にか増えてる
上空から何か落ちてきたので糞かと思ったら木の枝でした。
「カアー」
空にはカラスが3羽旋回してました。あ、また何か落とした。木の枝です
まさかとは思ったけど少し不気味な気持ちになりました
俺を攻撃……してる?
この程度の木枝が当たっても怪我することはありません。しかし鳥頭だと侮っていた相手が明確な敵意を向けてきた可能性が
カラスは『羽の生えた霊長類』の異名を持つ鳥。恐ろしく知恵者です
例えば木の枝を道具として操ることで有名なカレドニアガラスは脳が7.3グラムもあると言われています。これは体格に占める脳の比率だけでいえば人間を越えているのです
そのへんにいる普通のカラスでも九官鳥より言葉を覚えるのは上手いらしい
おまけに人間の顔を覚えていて意地悪した相手には仲間と復讐する知恵もあるとか。恐ろしいことに直接被害を被ったカラスじゃなくても復讐には参加するそうです
ちなみに私は昔カラスに噛みつかれたことがあります。クソ痛いですよ。普通に指がざっくり切れましたからね
消化不良ですが我々は遊びをやめて散歩を再開することにしました
決して敗北したわけではない
犬が排泄の後に地面を蹴るのは……
散歩の途中で犬が糞をしました
片づけようとしゃがみ込んだら、私の顔は土と雑草まみれになってしまいました
犬が地面を後ろ足で蹴りまくるからです
気のせいかな、こういう時の犬ってちょっと笑ってませんか?
いずれにせよテンションが上昇してるのは確かです。ハッハと息を吐いてバシバシ地面を蹴ってますからね
私はこの行為を犬が自分の糞を隠すために行っているのだと思ってました
しかしいつも見当違いの方向に土を蹴り上げていたので、っていうか私に直撃してるので「もしかして嫌がらせかしら…」と心配してました
どうも違うらしい
最近ネットで調べて知りました
その名は【地面ひっかき】
なぜ犬はおしっこを済ませたあとに地面を蹴るのか? - GIGAZINE
そのまんまのネーミングですね
犬は排泄をした後にマーキングの意味を込めて地面をひっかくのです
この行動は犬にとって馴染みのない場所、あるいは他の動物の臭いがする場所で行われることが多い
- 地面を引っかくことで視覚的に縄張りを知らせる
- 肉球にある汗腺から分泌する液体を擦りつけることで匂いによって縄張りを知らせる
以上のような目的があります
ただし全ての犬が行う仕草ではないようです。全体の約10パーセント。雄雌の区別はなし。地面が土だろうがアスファルトだろうが関係なく実行します
全体の10パーセントとは意外ですね。私は今までに犬を3頭飼ってましたが皆やってましたよ。だから犬であれば当たり前の行為かと思ってました
しかしまだ謎が多い行動ではあるらしい。あくまで動物学者が唱える有力な説のひとつです
まあそんなわけで皆さんの飼い犬が土をベシベシぶつけてきても怒らないでやってくださいね
おわり~