初めて東京に行ったのは10歳の時、今から30年前でした
母親と妹、そして私の3人で行きました。父は仕事が残っているということでお留守番
九州人の自分はそれまで広島県より東に行ったことがありません
初めての飛行機
耳が痛くてウンウン唸っていたらCAさんが飴をくれました
我々はCAさんの座席の正面に座っていたのですぐ打ち解けました
「僕たち東京に2回も泊まるんだよ、ディズニーランドに行くんだ」
「あら、良かったわねえ。2泊もできるなんて羨ましいな。私も行きたいなあ」
ディズニーランドでは人形ががちゃがちゃ出てきて歌うアトラクション、たぶんイッツ・ア・スモールワールドかな、ボートに乗って見て回りました
妙に怖かった覚えがあります。それにあの歌、なんか哀しくなりませんか
あとキャプテンEOにも行ったな。まだマイケルが悪さをする前ですね
サンシャイン水族館でリュウグウノツカイを見た
引用 Wikipedia
東京では色々な所を観光しましたが、もっともたまげたのはサンシャイン水族館です
水族館の入り口には細長い水槽?みたいなガラスケースがあって、そこには見たこともない大きな生物の死骸が飾ってあったのです
白くて髭が沢山生えたとんでもなく長い体
案内板には
『深海に棲む未知の生物、リュウグウノツカイ』
そんな感じのことが書かれていました
引用 サンシャイン水族館
腰を抜かしましたよ。アワアワして母親の手を引っ張って大騒ぎした記憶があります
当時、UFOとかネッシーとかイエティとかがマイブームだったので、この謎生物もそういう存在なんだと思いこんでました。だって未知の生物ですからね
それほどリュウグウノツカイは奇怪な姿形をしていたのです
流石は東京だぜ、水族館にUMAを飾るなんて凄すぎる
私は日本の首都がとんでもない場所なんだと改めて思い知りました。世界有数の都市と呼ばれるだけのことはあると
その後、マンボウとかラッコを見たはずなのに、頭の中はリュウグウノツカイ一色です
東京タワーとかサンシャイン60とか皇居とか東京の凄い場所は沢山あったはずなのに全部吹っ飛んでしまいました
『東京にはUMAがいる』
そればっかりが頭の中をぐるぐると巡ってました
東京はどえらい町だった
地元に戻った私はそう学校で言いふらすのでした
現在はリュウグウノツカイが見られる水族館が国内に七か所あるようですね
残念ながら深海魚なので生きた姿で展示されてはいませんが、それでも珍しい生物なのは確かです。
お子さんのいる方は一緒に見に行かれるといいかも。私のようにおっさんになっても良い思い出になるかもしれませんよ
リンクを貼っときます。
【水族館】リュウグウノツカイはここで会える!?水族館や施設まとめ - 【うおとぴ】魚の釣り方から捌き方・料理・おいしい食べ方まで日々配信
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国立国会図書館でお宝本を読む
それから10年後、再び東京へやってきました。高校時代の友人が東京に住んでいたので会うために
友人の仕事が終わるのは夜。それまでに時間があるので東京でしかできないことをしてみようと思いました
私は今でも東京に行くと『東京ならではの何かを見たい(したい)』というこだわりみたいなものがあります
子供の時に見たリュウグウノツカイのように東京の凄さを味わいたい
他の都市を訪れてもそういう発想はないので、やはり自分にとって東京は特別な場所なのでしょう
とはいえ、『東京ならでは』が何なのか自分でもよくわかっていません
引用 Wikipedia
その時の私はとりあえず『男はつらいよ』の舞台である柴又へ行ってみました
撮影スタッフや渥美清が休憩に使ったと言われる『大和屋』へ
ここは食堂です。天丼が有名らしい。寅さんも食べたと聞いたので私も注文しました。ついでに瓶ビールも
うん、味は普通に美味しかったです
引用 Wikipedia
ほろ酔い加減で柴又帝釈天を覗いて江戸川の傍をふらふらと散策
『男はつらいよ』の舞台になった町。江戸川の土手を歩く寅さんを映画で見たことがあります
風情はあるのですが
なんだろう、コレジャナイ感がすごい
これ、ただの観光じゃん。自分の求めていたものとは違う
すぐに浅草まで戻りましたよ。雷門を見て、その後は近くの店で黒い天丼を食べました。ごま油で揚げるから黒いらしい。しかし
なぜまた天丼を食べたのかよくわかりません
たぶん酔ってたせいだと思う
闇雲に観光してもしょうがないので浅草の観光案内所に行きました。
ちなみに当時はまだスマホがありませんでした。携帯電話は持ってましたよ
スタッフのお姉さんに「東京ならではの場所を探してる」と言ったら困った顔をされました
そらそうでしょう。東京にあるものは全て東京ならではの場所ですからね
それでもお姉さんは「国立国会図書館はどうですか」と教えてくれました
「国立国会図書館?」
なんでもそこは日本で刊行された全ての本が集まる施設らしい。蔵書数は国内でぶっちぎりのナンバー1。日本で唯一の国会に属する図書館
「……そんな場所があるんですか」
「ええ、私も調べものをするために利用したことがありますけど素晴らしい図書館ですよ」
「……」
これまで日本でどれだけの書物が刊行されたのか知りませんが、途方もない数なのは間違いないでしょう
それが全て集まってる図書館なんて信じられませんでした。おとぎ話ですよそんな場所
しかし観光案内所の人が嘘を吐くとは思えない
ドキドキしながらさっそく永田町へ
たどり着いた国立国会図書館は思ったより古くて地味な建物でした
しかし入館した私のテンションはMax
古臭い雰囲気ですが、とにかく広い。窓口が沢山あって職員の数が多い
地元の県立図書館とは規模が違う
なんか無駄に厳かなオーラを感じ圧倒されました
近くにいた司書さん?に利用方法を尋ねてみます
引用 国立国会図書館
なるほど、説明を聞き終えた私の興奮は天元突破ですよ
ここには世界中のあらゆる本が揃っているらしい(そんなことは誰も言ってない)
知りたいことはなんでも知ることができる無限知のアーカイブ(もちろん誰も言ってません)
さすが東京
さっそく何か本を読んでみることにしました
せっかくなのでここでしか読めない本がいい
どんな本でも揃ってるなら何か凄い本を読みたい
散々悩んだ挙句、ジャンプとマガジン、サンデーの創刊号を取り寄せてみることに
自分でPCを使って検索して窓口で申請するスタイル
しかし本当にあるのかな。相当古い雑誌だぞ。それに漫画だし
「本当にあった・・・」
半信半疑で検索してみると見つかりました
取り寄せた雑誌は別室で読むことに。持ち出し禁止らしい
雑誌は透明なビニールのカバーで覆われていました
引用 Wikipedia
その時に読んだ3誌の内容はあんまり覚えてません。あんまし面白くなかった気がする
ジャンプには身体のでっかい少年が登場する『くじら大吾』?みたいなタイトルの漫画が掲載されていたのは覚えてます
あ、そういえばサンデーやマガジンは漫画だけじゃなく、野球の選手情報や連載小説が載ってましたね。構成が今とはずいぶん違ってました
意外だったのはジャンプがサンデーやマガジンに比べて創刊がかなり遅かったことです
新発見だとばかりに色んな人に説明したのでこれだけははっきりと覚えてます
サンデー、マガジン 1959年創刊
ジャンプ 1968年創刊
本当にすごいぞ国立国会図書館
まず、図書館というお堅い場所で普通に漫画を読めることに不思議な気分になりました
しかも、なんとですよ、中学時代に愛読してたエロ本を探したら普通にあったんですよ
まさか図書館で熱烈投稿を読めるとは思わんかったよ
あっという間に心は中学性にタイムスリップ。宮沢りえのサンタフェも読めるんだからオラびっくらこいた
一応補足しておくとサンタフェは当時人気女優だった宮沢りえのヘアヌード写真集です
史上最も売れた写真集じゃないかな
発売される前に全国紙で大々的にヌード写真の広告が掲載されて、当時中学生だった私たちはその切り抜きを持ち寄って大騒ぎしました
静寂な公共施設、周囲では他人が静かにページを捲る音しか聞こえない。そんな中、エロ本やヘアヌード写真集を凝視する私
これを繰り返せば変な趣味に目覚めると思う。東京に住んでないのが実に残念
真面目な話、これだけなんでも本が揃っているなら本を買う前にここでじっくりと中身を確認することができるわけですから、東京の人は恵まれてますよ
とくに部数の少ない画集とかイラストを描く時に使う構図集は高価ですからね
そういった本をタダで読めるのは素晴らしい
こんな施設があるなんてやはり東京は凄い所だと思いました
新宿の損保ジャパン日本興亜ビル(旧安田火災ビル)でゴッホのひまわりを見た
凄くないですか、ゴッホですよ、ゴッホ
漫画で怪盗が盗もうとする絵画といえばゴッホでしょ、定番でしょ
そんなゴッホの絵が普通に鑑賞できると聞いた時はびっくりでした。しかも『ひまわり』って学校の教科書で見たことある超有名な絵です
世界にひまわりは七枚あるとかシラケたことを言うのは誰ですか
それでも凄いに決まってますよ
大学4年の時に再び東京へやって来ました。横浜で就職活動をした帰りでした。ちなみのその会社は落ちましたが
面接した会社の人から新宿の安田火災ビルにゴッホのひまわりが常設展示されていると聞いたのです
たまげましたよ。絵なんてまったく興味ないですけど、ゴッホが凄い人くらい知ってます
アレですよね、錯乱して耳をちょん切った人でしょ
会社の人の話ではバブルで日本が勝ち組だった頃に安田火災が53億円でひまわりを買ったらしい
私はちっとも知りませんでした
さっそく新宿に到着したわけですが、空を見上げると林立する高層ビルが馬鹿みたいに高すぎて眩暈がしそう。なんでここまで高くする必要があるのかな? 屋上が見えないじゃん
カリン塔かよ
美術館は42階でした
当時は東郷青児美術館という名前だったと思います。今もかな
ちょうどフランスの有名な画家の展覧会が開かれていて(誰かは忘れた)、その人の絵を鑑賞した後にゴッホの絵が飾られている部屋に入りました
上記の画像のようにゴッホの絵だけじゃなくゴーギャンやセザンヌの絵もあります
暗い部屋は大きなガラス張りで仕切られていて、その向こうに絵が展示されていました。照明に浮かぶようにして飾られたひまわり
絵のことはよくわからないけど、ずっと見てました
平日のせいか人は少なかったです
そのことに驚きましたよ。たとえ平日であったとしてもこんなに凄い絵があるのに人が少ないなんて
東京人にとっては当たり前の風景なんですかね
もし私の地元にこの絵があったらパンダみたいに5時間待ちとかで行列ができますよ
こういう絵がいつでも見られるって凄すぎる環境ですよ
これがきっかけになって私は東京を訪れるたび、上野の西洋美術館に足を運ぶようになるのでした
なんかボーっと絵を見てる時間が好きになったんですよね
まとめ
というわけで私が東京って凄いなと思ったスポットを3つ紹介させてもらいました
どこも有名だと思いますが、まだ行ったことがなければ行かれてみてはどうでしょうか
おしまい