ダメラボ

ロスジェネのダメなおっさんが色々と妄想していますよ

ストーカー観察日記。この人ヤバいかもと思った時には手遅れだった話:ストーカーの心理は複雑だね。後編

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前回の続き、後編です

ストーカー観察日記。この人ヤバイかもと思った時には手遅れだった話:前編 - ダメラボ

 

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 ストーカーを題材にした映画といえばスティーブン・キング原作の「ミザリー」やロビン・ウィリアムズ主演の「ストーカー」、ロバートデニーロの「ザ・ファン」などが有名です

 

私もそうですが一般的なストーカーのイメージはこういった映画やドラマで作られると思う

すなわちストーカーとは、

  • 執着する相手をつけ回して自分の存在を誇示する
  • 相手の生活すべてを支配しようと脅迫を繰り返す
  •  妄想にとりつかれ行動は次第に過激になり……

 

田島さんの行動はそういうものとは微妙に違っていました

まず彼は自分が執着してることを頑なに隠そうとします。私にはバレバレですが、Aさんに対して接触するような行動を一切とりません

なぜなら顔を合わせることで万が一にも『Aさんに関心がある』とバレるのが嫌なのです。あくまで『ふん、おめーには興味がないぜ』というクールキャラにこだわってる

もちろんAさんは田島さんに人並以上の関心なんてないと思う。だから会った所でなんとも思わないでしょう

哀しみの田島ピエロですたい

 

つまり田島さんはクソ面倒臭い奥手野郎なわけです

 

自分がAさんに興味のあることは絶対にバレたくない。でも自分の存在は知らしめたい

 

この矛盾によって田島さんの言動はつねに滅茶苦茶でした

 

私には彼のAさんを貶める悪口の数々が、そうやって言語化することで自身を説得しているように見えました。つまり

 

あんな女は私に相応しくない。だからさっさと諦めるべきだ。他にも良い女はいっぱいいるぞ

 

って感じ

 

恐らく田島さんが抱えていたのはヤバイくらいに歪んだ恋心だと思う

 

いくら悪口を言って彼女のイメージを傷つけても諦めきれない。だから田島さんのAさんを侮辱する言動はますます過激になっているのでは

 

ダメラボ探偵はそう推理しています

 

それでは続きを書きます

疾走する狂気

1月18日

デンジャラス田島来店。しかし彼は筋トレなんて一切しない。俺の仕事はトレーナーからカウンセラーに変わっていた

 

田島さんから延々とAさん情報を聞かされる。明らかな個人情報が混じっていた。彼女の給料が手取りで13万円とかどうでもいい。スリーサイズと体重まで知るハメになった

 

田島さんが「ウエスト68とか太り過ぎですよね?インストラクターとしてあり得ないでしょ」と言ってきたので「風俗嬢のプロフィールなら太り過ぎかも」と答えたらよくわからない顔をされた

 

俺はAさんに会ったこともないのに、もしかしたら本人よりも彼女のことを知ってるかもしれない

もちろん田島さんの言ってることが全て事実ならば、だ。気をつけておかないとこの人は妄想混じりの憶測まで事実として話すからな

 

しかしこの気狂いピエロ、正月休みにAさんの実家に行った後は思ったより大人しいな。もっと行動が過激化するんじゃないかと心配してたが……いや、スリーサイズとか知ってる時点でやばいか

 

1月21日

田島さんの車が白いレクサスに変わっていた。詳しい車種は伏せておく

 

問題はなぜこのタイミングで高級車を買ったのかだ。俺の予想ではAさんにアピールするためなんじゃないかと睨んでる。さりげなく自然を装って会うつもりではないだろうか

 

今日の田島さんはやたらと意見を求めてきた。彼は自分がヨガスタジオに通っていた頃の話を持ち出して、例えば、

 

「Aさんに出張のお土産を渡した時にすごく喜んで、後日お返しにワインをくれたんですよ。これってどういう意味だと思いますか?」

 

「私が帰る時にAさんがわざわざ走って近づいてきて『もう帰るんですか? また来週会いましょうね!』って笑顔で言ってたんですけど、これってどういう意味ですかね? そんなことわざわざ言わなくても私は会員だから来週も来るわけですから、他に何か意味があるとしか思えない……」

 

やかましいわ! この童貞が!

 

何かにつけて意味を求めるとか恋する男子高校生かよ

 

俺は無難に「Aさんは田島さんのことを良い人だと思ってるんですよ」と答えておいた

すると田島さんは満更でもない顔をするのだ。だけど最後は彼女の悪口ばっかり言ってる。もう意味がわからん滅茶苦茶だ

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1月24日

デンジャラス田島御来店。来てそうそうにメチャギレしてる

ここに来る前にスーパーでたまたまAさんと会ったらしい。2人はにこやかに世間話をして別れた。ただそれだけ。なのに、

 

「許せない! 私を辞めさせたくせにのうのうとインストラクターの仕事を続けるってあり得ないでしょ? そう思いませんか!」

 

お前があり得んわ。まだそんな妄言を吐いてるんかい

 

「田島さん、誰もあなたを辞めさせてませんから。望めばいつでもヨガスタジオに戻れるんですよ……」

 

「そういう問題じゃないですよ!」

 

どういう問題なのよ

 

「いいですかヤマグチさん。組織というのは規律を守ってナンボなわけですよ。そうでないと多様な価値観を持つ人間の集合体である企業はうまく回りません。つまりAさんは業務上知りえた内容を私にベラベラ話すという服務規程違反をした。それにも関わらず彼女は責任をとらず、なぜか相談された私がスタジオを辞めさせられた。サービス業を生業とする企業としてこの姿勢は絶対におかしいわけです!」

 

頭が痛くなってきた

 

「……つまり田島さんはどうしたいのですか?」

 

「……彼女は首になるべきです。そう思いませんか?」

 

「それを決めるのはヨガスタジオの運営会社ですよ。Aさんがまだスタジオに在籍しているということはそれが答えでは?」

 

「今回の件を運営会社が知らないだけかもしれませんよ。客を辞めさせるようなインストラクターをまともな会社が許すわけがないですからね」

 

「……」

 

田島さんはAさんが職を失うことを望んでいる。もっと言えばAさんが不幸になればいいと思ってる。スーパーで会った時のAさんのいたって普通な雰囲気が心底気に入らないのだ

Aさんが申し訳なさそうにしていれば多少は溜飲が下がったかもしれない、けどそれは無理だろう

 

Aさん視点で見れば田島さんは、信用して心を許していたからこそ心情を吐露したのに周囲に言いふらした人間である。彼がスタジオを辞めたからといってそれほど感謝はしてないだろう

良くて心象は±0ってところだと思う

 

田島さんはスマホでヨガスタジオの運営会社を検索していた。電話をかけるつもりらしい

 

「田島さん、その電話をかけたら当然Aさんは田島さんが訴えたことを知りますよ。2人の仲は修復不可能になるけどいいの? 間違いなく嫌われるよ」

 

田島さんはイカれた行動をとっているけどまだAさんに直接的な被害はない。彼女から見れば田島さんはまだ普通の人といういう認識だと思う

しかし自分の意思で辞めた人間が運営会社に狂った言いがかりをつけたことを知ったら彼女の田島評は地に堕ちる

 

「……」

田島さんのスマホを弄る手が止まった。一瞬だけ逡巡したと思う。でも、

「Aさんが辞めずに私が辞めさせられたのは絶対におかしい。おかしいことは正すべきです」

「……そうですか」

 

大阪にある運営会社のCに電話する田島さん

 

会話内容は『服務規程違反を犯したAというスタッフがいること。彼女から相談を受けた客である自分がなぜかスタジオを退会させられたこと。それにも関わらずAは現在も在職していること。サービス業を行う企業としてその姿勢には甚だ疑問がある……等々』

 

Aさんが愚痴を言ったのは事実なのでその一点の非だけをしつこく追及していた

 

まあ社会に出るとズルい奴がよくやる手段ですわ

 

本音は『自分が相手にされなくて気に入らない、俺の自尊心を踏みにじった奴は地に額を擦りつけて生きていくべきだ』ってところだろうけど

 

あーあ、恋してたのに自分で滅茶苦茶にしちゃったよこの人

 

電話が終わると田島さんはすっきりした笑顔

彼の話によると運営会社は今回のトラブルを知らなかったらしい

対応した先方が「大変申し訳ありませんでした! すぐに調査します」と謝っていたことを喜々として教えてくれた

 

「調査してもし事実だったらしかるべき対応をとると約束してくれましたよ!」

 

田島さんは自分の主張が全面的に認められたと満足していた。憑き物が取れたようにスッキリしてた。相手がペコペコしていたのが余程嬉しかったようだ

 

そりゃとりあえず謝るのはサービス業の基本だからね。特に面倒臭そうなクレーマー相手ならそうするでしょ

 

人手不足のご時世、この程度の客トラブルで運営会社がAさんを首にするとは思えないけど……

 

狂人荒ぶる

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 2月7日

あれから2週間、クレイジー田島はゴキゲンでトレーニングに励んでいた

ジムに来るたび「Aさんはいつ首になると思いますか?」とウッキウキで聞いてきた

知るか、たぶんならんぞ

2月21日

田島ご来店。店の前にレクサスを止める時に植木鉢にぶつけて倒した。ホームアローンかよ

 

入って来るなりメチャ荒ぶってた、「あ゛あッーあ゛ーチクショウ!」奇声をあげて喚く

 

「Aめ! のうのうと居座りやがって!あのクソ運営会社、客をなんだと思ってやがる!」

 

田島さんは更衣室に行かずにいきなり私の前でズボンを脱ぎ始めた。イラついているので思うように足が抜けず、ズボンを踏みつけてすっ転ぶこと2回

 

何やってんだ、この人は……

 

田島さんはいつまで経ってもAさんがスタジオで働いていることに痺れを切らして運営会社に電話をしたようだ

Aさんの動向をストーキングしてたんだな

 

応対したスタッフは田島さんに何度も謝った

 

「今後はこのようなことがないように従業員にしっかり教育を実施します。Aには接客教育を再度徹底するつもりです」

 

もちろん田島さんは憤慨した。彼が求めていたのはそんな答えじゃないからだ

 

「Aを首にしろ!」

「申し訳ありませんがそれはできません」

「首だ!」

「できません」

 

同じ返事が何度も繰り返される

 

「くっ、だったら……Aに再教育すると言ったな。いつだ? どんなカリキュラムを組む? 私は被害者だ、それを知る権利がある」

 

「――来月の3日に弊社の教育担当スタッフがA県の〇〇店まで出向いて行う予定です。内容に関しては申し上げることは出来かねます」

 

「……本当だな。約束は守ってもらうぞ」

 

まったく不本意な結果に終わり、田島さんは荒れる荒れる

呪詛のようにAさんの悪口を吐く。何かと俺に同意を求めてくる

 

くそ、せっかく本来の仕事ができるかと思ったのにまたカウンセラーに逆戻りだ

 

2月26日

狂人がやって来た。あれから彼の怒りはまったく収まらない

昨日、Aさんとたまたまスーパーで会ったらしい。露骨に避けられたそうだ。そりゃそうだろう。自業自得だ。それなのに、

 

「私が辞めたからアイツは仕事を続けられてるというのに無視するとは……。普通だったら感謝しないといけないでしょ、どういうことですか!」

 

唇を震わせてそう激高していた

 

もうだめだ、傍から見ても理性がほとんど活動してないことがわかる。自分のコントロールができてない

だって来て早々にトレーニング室の中に土足で上がろうとしたからね、この人

2月3日

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狂人田島が来ない。予定の時間はとっくに過ぎてる

と思ったら電話がかかってきた

 

「田島です、Aさんの教育研修に私も立ち合うことにしました。急ですみませんが今日のトレーニングはキャンセルさせて下さい」

 

うん、なに言ってんだこの人。田島氏は話を続ける

 

「被害を受けた者としてAさんの接客スキルが本当に向上するのか確かめる必要があると思うのですよ。そう思うでしょヤマグチさん?」

 

前に運営会社が言ってたAさんの教育研修が今日実施されるらしい。んで彼はなぜかそれに参加するとか言ってる

私は強めの口調で言った

 

「思いませんよ。田島さんが研修に参加するって……お店側の許可を取ってないでしょ」

 

「そんなものは要りません。私は被害者です」

 

「行くのは止めた方がいい。これは田島さんの為に言います。トラブルを起こしたら田島さんが職を失うかもしれませんよ。安定した〇〇勤めですよ。それを失うほどの価値がAさんにあるんですか?」

 

申し訳ないけど俺はAさんを貶めることで田島さんを止めようとした。それしか方法が思いつかなかったから

「あなたを心配してる」

と、男には使いたくないキモい言い回しも使った

田島さんはずっと黙ってた。電話口で吐息がやけに大きく聞こえた。そして、

 

「……わかりました。行くのは止めます。すみませんコロコロ予定を変えて、今からトレーニングに行ってもいいですか?」

 

「はい!もちろん大丈夫ですよ。お待ちしてます」

 

結局、田島さんは来なかった

 何度か連絡を取ってみたけど携帯は繋がらない

数日後、田島さんが勤め先を休職していると聞いた。理由はわからない

 

部署は違うけど田島さんと同じ組織に属してる知人に調べてもらった。すると、

 

「はっきりわからんけど逮捕されてるみたいだ。どこかで脅迫して業務を妨害した? そんな感じの罪状があるんだっけ?」

 

彼にも詳しい事情はわからないようだ。でもだいたい想像できた。つまりそういうことだろう。田島さんはスタジオに行かずにはいられなかったようだ

 

その後、田島さんがプライべートで役員を務めていた某協会から彼の名前が消えていた

 

それっきり彼の姿は見ない

 

気になったのでヨガスタジオに電話してAさんの在籍を確かめてみた。すると彼女は普通に働いていた

 

結局彼が一人で騒いで勝手に自滅したという、なんともいえない奇妙な出来事だった

 

これにてこの話は終わりです

 

うーん、当時はけっこう衝撃的な事件だと思ってたけど、文章にしてみるとたいしてドラマチックじゃないですね~

おしまい

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