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ダメなおっさんが色々と妄想していますよ

【ほら男爵 現代の冒険】笑える短編小説と言えば定番かな。でもおすすめッス:星新一

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星新一。言わずと知れたショートショートの神様。あるいはSF作家の皮を被った神様

子供向けの作品から大人向けまで幅広いジャンルで活躍した天才作家です

 

生涯で1000編以上の作品を作ったと言われています

 

『ボッコちゃん』『気まぐれロボット』『エヌ氏の遊園地』『妄想銀行』等、代表作があり過ぎて紹介するのが困るほど

沢山の本を世に送り出しました。私の本棚にも30冊くらいはあったと思う

そんなわけで誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか

 

私が小学生の頃は、宇宙人がタイムカプセルを埋める話を国語の教科書で扱っていましたけど、今はどうなんでしょうかね

ん、よく考えたら教科書って地域によって違うんでしたっけ? まあいいや

 

『ほら男爵 現代の冒険』は私が読んだ星作品の中ではトップクラスに面白い作品です 

 【ほら男爵 現代の冒険】の簡単なあらすじ

主人公はヒエロニムス・フォン・ミュンヒハウゼン男爵の直系子孫であるシュテルン・フォン・ミュンヒハウゼン男爵です。長すぎるので男爵にします。

ちなみにご先祖のミュンヒハウゼン男爵はドイツに実在した貴族。別名『ほらふき男爵』として有名な人物です。とても面白い逸話を持った人物ですが紹介はまた別の機会に

 

収録されているのは4編

  • サハリの旅
  • 海へ
  • 地下旅行
  • 砂漠の放浪

 非常にわかりやすいタイトル。32歳の独身貴族である男爵がこれらの場所で大冒険するお話

 

サハラの旅

ナイスバディのモデルに豹の毛皮とワニ皮のバックをねだられた男爵。その辺で買うよりもサハラで自分が直接材料を調達した方が安くつくと現地へ飛びます。

現地では案内係ウンボコを雇い、モデルと供に意気揚々とサハラの奥へ進む男爵。しかし現れるのはヘンテコな動物や人間ばかり。しまいにはナチスの……

 

海へ

海賊船を新造した男爵。海賊コスプレをして男のロマンばりばりで海へと繰り出します。肩には「さようでございます、船長」としか言わないオウムを乗せて

ところが海にいるのはロマンの欠片もない人々。男爵はうんざりしてしまう。他にも人魚や桃太郎、ノアの友人と妙なキャラが登場しては悩みを打ち明けるのですが……

 

地下旅行

ハンモックで昼寝をしていた男爵はセクシーなウサギが走っているのを見かけます

「急げや急げ、遅れちゃ大変……」

まるでおとぎ話のようなウサギに興味を引かれて追いかける男爵でしたが地下で宇宙人と出会ってしまいます。

男爵は宇宙人に誘われるままに地下から様々な人間模様を観察するハメに。その結果、地球の思わぬ裏事情を知ってしまうのでした

 

砂漠の放浪

早とちりで飛行機から脱出した男爵は砂漠のど真ん中で遭難してしまう。一緒に脱出したのは占い師の女の子。2人は助けを求めて砂漠をさまよいます。ところが出会うのは一癖も二癖もある妙な人物ばかり。誰もが事情を抱えている様子で2人に構ってくれません

おまけに砂漠に設置されているのは変な機械やアイテムばかり。2人はうんざりしながら放浪を続けることなって……

 

 本作の魅力、面白いポイント

星新一といえばショートショートが有名ですが、今回紹介する作品は短編小説です

どういうこと? ショートショートと短編に違いがあるの? って人に説明すると

 

ショートショートは超短い物語

短編はちょっと短い物語

 

です

 

すんません、こんな説明しかできなくて。調べてみましたが定義は特に決まってませんでした

歴史としては1920年頃にアメリカで短編よりもさらに短い小説として広まった形式らしい

 

本作はショートショートよりも長い話。なので定番のショートショートとは違いがあります。

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男爵やヒロインにキャラクター性が乗っている

星新一ショートショートの特徴としてキャラクターの記号化というものがあります。つまり登場する人物には名前が与えられてないことが多い。舞台となる地名や細かい道具等の固有名詞も出てこない

登場人物はさりげなく毒を吐きますが個性は極力排除されてる

なので人によっては素っ気なく感じてしまうかもしれません

 

これには理由があって星新一は作品を書くにあたり、地域、社会環境、時代に関係なく読めるように意識していたから。なので作中では時事風俗ネタも扱わなかった

 

とウィキ先生が言ってました

 

しかし『ほら男爵 現代の冒険』では登場人物がワチャワチャしてます。コミカルでとても可愛らしい。ショートショートも好きだけど私はこっちの方が好きかな

キャラ性が増した分だけブラックジョークや毒もエンジン全開です

もちろん星新一作品らしく、さりげなく表現されてはいますが、それにしてもギリギリアウトっぽいネタが満載

KKK団の思想に賛同した黒人とかナチの刺青をしたユダヤ人とか

 

 さらっと登場します。そして皆が男爵に悩みを訴える

 

こういうコーエン兄弟的なジョークはつい吹き出してしまう。たぶん星さんはこの手のネタが好きだと思います

 

他にも危ないキャラが出てきますが、それは読んでのお楽しみ

 

リーラは、バストと頭脳とは反比例するという公式のとおり、あまり理性的ではないがきわめて魅力的な声で言う。

「あたし、ヒョウの毛皮で作ったコートが欲しいの。それとね、ワニ皮の大きなハンドバックが……」

 

こういう表現も今は使うと怒られるのかな。ちなみにリーラはオッパイが小さくなると頭脳明晰に変身します

 

星テイストの優しい語り口はそのままに、ストーリーは毒満載。なのに読み終わると大冒険が終わってしまった寂寞感にちょっぴりセンチな気分になってしまう

ショートショートでは味わえない魅力だと思います

 

爆笑というよりも、フフフっと思わず吹き出すような笑いのある小説

ショートショートではない星新一の魅力をぜひ味わってみてください

 

まとめ

星新一作品には少ないですが長編もあります。私が読んだのは『きまぐれ指数』『悪魔の標的』『人民は弱し 官史は強し』『明治・父・アメリカ』

最初に挙げた2作品はフィクションです。残りは星製薬の創業者である父親について書いたノンフィクション。短い期間ですが星新一は社長を務めていました

気まぐれ指数は個人的にはいまいちかな。でも残りはどれも面白いので興味のある方は読んでみてください

おわり

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 他にも読書感想を書いているのでよかったら読んでね

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