ダメラボ

ダメなおっさんが色々と妄想していますよ

ロボットSF小説のおすすめを挙げるなら【われはロボット】これしかない! アイザック・アシモフ

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この作品に登場するのはメカニックなロボットです。終盤は違うけど

 

何を言ってるのかわからないと思うので説明すると

 

 SF小説で題材にされるロボットといえば、機械的なロボットよりも人造人間的なやつが多い気がします。

 有名な作品だとカレル・チャペック『ロボット』――原題は『RUR』ロッサム世界ロボット製作所――やフィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

 

『ロボット』はロボットの語源を生み出した作品です。私たちが知ってるロボットという言葉はこの作品から生まれました。発表されたのは1920年

今日ではテンプレと化した『人が作ったロボットが人類に反旗を翻す』という物語の原型を作ったのもこの作品。戯曲ですが面白いですよ

 

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は映画『ブレードランナー』の原作でもあるので知ってる人は多いかもしれません。監督はリドリー・スコット、主演はハリソン・フォード

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引用 amazon

サイバーパンク映画の代表作として後の作品に強い影響を与えました。映画好きなら押さえておくべき作品だと思います

だたし原作とは内容がかなり違うので、原作ファンの間では評価がいまいち

 舞台となる未来のロサンゼルスはアジアンテイストでちょっと不思議な雰囲気 

 

原作にこだわらなければSF映画として充分楽しめます

 

この2作品に登場するロボットは見た目が最初から人間なんですよ。もっと正確にいうと『ロボット』に出てくるロボットは生体物質から作られた有機体という設定。一般的にイメージされるロボットとはかけ離れてる

『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』に登場するのは題名通り人間そっくりなアンドロイド

ロボットといえばメカニカルでガチャガチャと動き回って欲しいという個人的な好みで今回の紹介からは外しました。

それともう一つ理由があって

読書に慣れていない人が読むには『ロボット』は戯曲ということもありちょっと読みにくい。テーマは百年前に書かれたとは思えないほど今に通じるものがある素晴らしい作品ですが

 

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も似たような理由で外しました。

SF好きでもない限りはいきなりすすめる作品としては微妙にハードルが高い。ある意味『ロボット』よりも人を選ぶ作品かな

でも面白いのでそのうち記事で紹介します

ロボット三原則を生み出した不朽の名作【われはロボット】

 『われはロボット』は誰にでも紹介できる優れた作品です

古典にして王道。優れた作品はどれだけ時を経ても新しく読める

発表されたのは1950年

後のロボット作品に大きな影響を与えるロボット工学三原則はこの作品から生まれました

1. ロボットは人間を傷つけてはならない。また危険を看過して人間に危害を及ぼしてはならない

 

2. ロボットは第1条に反しない限りで、人間の命令に従わなくてはならない

 

3. ロボットは前提1条及び2条に反しない限りで自己を守らねばならない

 ハリウッドのロボット映画、あるいは鉄腕アトムやロックマンといった漫画はこの設定を使って自律ロボットの苦悩や葛藤を描いています

もはやロボット作品の定番ともいえる設定ですね

 

『われはロボット』はロボットの設定を生み出したパイオニアというだけじゃありません。もっと凄いのはこれだけ後の作品に影響を与えているにも関わらず、ストーリーのオリジナル性が損なわれていないことです

 

つまり今読んでも古さを感じさせない

 

2004年にはウィル・スミス主演で映画化されています。タイトルは『アイ・ロボット』

ロボット工学三原則を巡るアクション映画ですが、小説とは別作品として楽しんだ方がいいでしょう。内容も結末も全然違うので

 小説の内容(ネタバレなし)

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2058年、地球は統一国家となりコンピューターマシンによって管理された時代。政治、労働、経済、あらゆるインフラが適切にコントロールされた世界は一種のディストピアともとれますが人々は不自由なく暮らしていました

ジャーナリストである「わたし」はUSロボット社を訪れます。目的は近々勇退するロボット心理学の権威、スーザン・キャルヴィンを取材するため。

キャルヴィン博士の50年に及ぶキャリアはロボット産業の黎明期から太陽系への進出、そしてロボットと人々の関係が大きく変わってしまった近年まで、まさにロボットの歴史そのものでした

冷徹だけどどこか寂しそうなキャルヴィン博士、彼女の口から語られるロボットの逸話にわたしは耳を傾けるのでした

 

キャルヴィン博士の回想で始まるこの物語は9編の連作短編として構成されています

 

それぞれのあらすじを簡単に紹介します

 『ロビイ』

喋ることができない子守ロボット、ロビイ。黎明期におけるロボットと子供の交流を描いた温かくも切ない物語

 

『堂々めぐり』

水星に派遣されたパウエルとドノヴァン。彼らがエネルギーの採掘を指示していたロボット、スピーディが突如言うことを聞かなくなってしまう

業務を放棄してぐるぐると回り始めるスピーディ。一体何故? 2人はロボット三原則の間で生じる葛藤が原因になっていることを突き止めたが、早く解決しないと自分たちの命まで危ない

コミカルな二人の技師がロボットに起きたエラーの原因を探る姿を描いたサスペンス

 

『われ思う、ゆえに……』

宇宙ステーションに着任したパウエルとドノヴァン。二人が組み立てたロボット、キューティは「自分の方が人間よりも優れている」と言い出し、エネルギー転換器を神と崇め始める

まるで宗教家にでもなったように振舞うキューティに二人は混乱してしまう

 

『野うさぎを追って』

小惑星に来たパウエルとドノヴァン。性能テストでは問題なく動くロボット、DV5号が実地になると奇妙な行進を繰り返す。本人に聞いても「わからない」と答えるDV5号に対して二人がとった行動とは

 

『うそつき』

偶然生み出された人の心を読むロボットRB34号。面会した若き日のキャルヴィン博士は片思いを寄せる男性についてRB34号から意外な言葉を聞かされる

真実とロボット三原則の間で揺れるRB34号を描いた傑作

 

『迷子のロボット』

とある事情からロボット三原則をプログラムされなかったロボットが逃げ出してしまう。ロボットは同型の64台の中に紛れているのは確かだが見分がつかない

調査に乗り出したキャルヴィン博士とロボットの心理戦を描いたミステリー

 

『逃避』

USロボット社はライバル社から星間航行用エンジンのデータ解析を依頼される

キャルヴィン博士はそのデータに人の死に関するジレンマがあることを承知した上で試しに電子頭脳に解析させた。すると本来なら戸惑うはずの電子頭脳はあっさりとデータを解析し宇宙船を完成させてしまった。

ライバル社に先んじて宇宙船を完成させたことに喜ぶUSロボット社上層部だったが……

ロボット三原則があるにも関わらず、星間航行における人の死という矛盾をどうやって電子頭脳は乗り越えたのか?

 

『証拠』

優秀な検察官にして次期市長選に立候補しているスティーヴン・バイアリイ。彼は誰にも飲食や睡眠の姿を見られていないことからロボットの疑いがかけられていた。政治家に調査を依頼されたキャルヴィン博士はバイアリイと面会するが……

 

『災厄のとき』

世界を完璧にコントロールしていたはずのマシンに誤差が生じる。それは失業者の増加や食料の余剰からも明らか。世界統監になっていたバイアリイはその原因を探るべくキャルヴィン博士に相談するが彼女の答えは意外なものだった

 私はこの話が一番好きです

 

見所

どの話もロボットに課せられたロボット工学三原則にまつわる話です。エラーを起したロボットの原因を探るミステリー仕立てになってます。

でもただのミステリー集じゃありません。この物語は話が進むごとにロボットと人との関わり方、もっと言うと世界が変化していきます

ロボットの頭脳が進化したことで最終的には飢えや戦争、テロといった不幸が取り除かれた世界が完成。未来予知に近い計算をやってのけるマシン

マシンはロボット工学三原則に則っていつでも人間の幸福を願っています。その想いが完璧過ぎるがゆえに、人々が予想する未来とは違う未来を歩む可能性を示唆して話は終わります

完璧な世界に疑問を持つのが人間ではなくロボットというもの皮肉な話です

 

まとめ

『われはロボット』はSF小説の金字塔と言われています。一貫したテーマを飽きさせずに読ませるストーリーの妙、わかりやすい文章

 

 優れた作品は時を経ても色あせない。まさにそれを体現した作品だと思います

 おしまい

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