ダメラボ

ダメなおっさんが色々と妄想していますよ

本当にあった不思議な体験:怖くはない……かな

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夏といえば怖い話

 

やだな〜怖いな〜

スーッと、スーッと来るんですよね

冷や汗がファーっと吹きだしてきた


……

 

何か語れることがあればよかったのですが、怖い話は持ちネタにありません

 

不思議な体験ならあります

 

いったい世の中には不思議な体験をしたことのある人はどれほどいるんでしょうね

 

不思議といっても色々ありますが

 

『幽霊を見ちゃった』みたいな心霊体験から、妖怪やトトロのようなジブリ的超自然現象との邂逅

chosa.nifty.com

私はこれまでに2度、不思議な、あるいは不可解な体験をしたことがあります

 

ラオスと中国の国境の村でトカゲ?の背中を舐めさせられて小さな妖精に変身したことがあるのですが、そういうアンナチュラルなやつは除いてです。いや、よく考えたらあれもナチュラルか……

 

天然物のスーパーナチュラルな体験に絞って語ってみようと思います

 

いつもは素性がバレないように少しフェイクを混ぜますが、今回は完全なノンフィクションで

不思議な大移動

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今から30年前の話です

当時、私は小学4年生でした

母方の実家が島根県にあり、私たち一家は盆と正月になると帰省するのが恒例でした

 

私の住む土地から車で約7時間

 

何もなくて有名な島根県。そんな神話以外に特徴のない県で、さらに過疎った日本海沿いにある山の中腹に母の実家はありました

 

山は鬱蒼としているし、近くにはコンビニどころかお店がまったくない超ド田舎。トイレはもちろんボットン便所。蛇やムカデはいるし、蜘蛛や蜂はやたらとデカい

田舎特有の古い因習には戸惑うことも多々ありました

 

だけど海があります。山にはカブトムシやクワガタもいる。祖父がお小遣いをくれるし、歳の近い従弟にも会える

私や妹は毎年の帰省を心待ちにしていました

 

夏に帰省した時の出来事

ある日、伯母と一緒に坂道を歩いてました。妹も一緒です

強い日射しが明るく照らす昼どき、光は木々に遮られてるとはいえやはり暑い

汗をかきかき私たちは歩く

 

祖父の住む山には車が通るための舗装された道が一本だけあります

舗装されたといってもかなり昔なので亀裂があったり陥没してる場所もある

そんな道の脇に点々といくつかの民家がたっていました

田舎はどこも家がでかいです。離れもあるので敷地は相当なもの

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 「重くない? 交代しなくて大丈夫?」

後ろから伯母が笑顔で声をかけてきました

 

「大丈夫!」

私と妹は2人でスイカを持っていました。山の上に住む親族へ届けるため。つまり伯母のお手伝いです

 

「無理しちゃだめよ」

「「はーい」」

 

伯母は母の兄のお嫁さん。本家の長男に嫁いだので親族には気をつかうのです。もちろん当時子供だった私はそんな事情は知りませんでしたが

 

夏の山は蝉やら鳥、よくわからん動物の鳴き声でとにかく賑やか

そんな中をひたすら登っていく

 

っで、不思議なんですけど。この時の私は何か小さな物音に気づいたんですよね

 

様々な生き物の鳴き声でやかましい山、なのに音が聞こえる? もしかしたら気配だったのかもしれません

とにかく違った感覚を覚えたのです

 

立ち止まりました。妹が不思議そうにこっちを見てます。妹は気づいてないらしい

振り返って伯母を見ると、彼女も立ち止まりました

 

「どうしたの?」

「おばちゃん……何か音がしない? たぶんあっちの方」

「え?」

 

音は次第に大きくなってました。ザラザラと何かが転がるような音。音の発生源が異様に広い

 

私の前方、右手側から何かが近づいてきてる。範囲が広すぎて正確に位置を特定できませんでした

 

ザー

 

小さなビーズを大量にぶちまけたような音。どんどん迫ってきます

 

先の方で地面を覆う雑草が不自然に揺れ始めました。まだ姿は見えない。けど確実に近づいて来てる

 

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不思議と怖いという気持ちはありませんでした。田舎には都会と違った生物が沢山います。そんな生物の一種だろうと思ってましたね

無知が故の好奇心ってやつです。狐やイノシシだってシティボーイの自分からすれば珍しい動物です。都会じゃまず見ない。ツキノワグマもこの辺りには生息してると聞いてましたが、まだ見たことはありませんでした

 

雑草は短いので、それでも姿が見えないということは小さな生き物ということが想像できます

ただし信じられないくらいの大群ですよ、だって私の視界の4分の一を占める地面で雑草が揺れてるんですから

 

「え……何!?」

妹もようやく気づく

 

「……2人とも少し下がって」

伯母は少し驚いてました。でも驚愕ってほどでもない。たぶん正体を知ってたと思う

 

雑草から飛び出した無数の黒い粒、我々の眼前で波のように道を横切っていく

信じられない数です。まさに道路が黒く塗られたような有様でした。大きな黒い川が流れるように蠢く

 

虫の正体は大きな蟻の大群でした

 

田舎の蟻ってデカいですよね。大型の蟻が気味の悪いくらいに整然と、一方向に向かって移動してました。迷いがないから移動速度が恐ろしく速い

 

サーーーーーーーーーー

 

不気味な音を鳴らし、斜めに道路を横切る蟻たち。進行方向に蝉の死骸が落ちているのに見向きもしません

まるで1つの意思だけで動いているような不思議な統制。一匹一匹が作り物の玩具みたいで生気を感じない。そんな蟻が一心不乱に走る、走る

 

大きな蟻といっても所詮は蟻です、質量がないので道路の上では足音なんてしません

それなのにサーと音が立つのが不思議でした

今でもあの風が吹くような軽い音は覚えています

 

「……」

私と妹は驚いて後ずさります。妹は伯母の後ろに隠れてしまう

 

雨が降った後に蟻が大移動することはあります

 

でもね、大移動を見たことのある人ならわかると思いますがこんなに速く一方向に移動しません

目の前の蟻たちは子供の駆け足くらいのスピードです。速すぎです

 

一般的な蟻の大移動は行き交いながら移動するので、よく見たら移動してるなってレベルの速さです。

なによりこんな大規模な移動なんてあり得ないですよ

 

昔「黒い絨毯」という映画がありましたけど、あれよりも目の前の蟻のほうがよっぽどフィクションっぽい動きをしてました

 

我々は蟻が通り過ぎるのをぼんやりと待っているしかない

 

「ねえおばちゃん、こういうことってよくあるの?」

「……ごくたまに……かな」

「へえ……」

 

 しばらくして、ようやく蟻の川が小さくなりました。まだ蟻は移動してるけど、とぎれとぎれ

 

「……早く帰ろ」

妹は怯えて伯母の手を握ってます

 

「そうだね、渡部のおじさんにスイカを渡したら帰ろう……」

伯母は励ますように笑って妹を背負いました

 

慎重に蟻を避けて我々は歩き出しました

 

なんでみんな反応が悪いのさ?

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祖父の家に戻ると、私は興奮して母親に報告しました

居間では両親や祖父、叔父、従弟がテレビを見てました。甲子園野球だったと思う

 

「デカい蟻の大群を見たんだよ!すごいの!川みたいに移動してて」

「本当、それは凄いねえ」

 

母親はハイハイ、って感じで適当に合わせてるだけ。子供の言うことなので話半分で聞いていたからなのか、蟻の大移動という現象が珍しくないのか

 

「ねえおばちゃん、すごかったよね!」

「あはは、そう……」

 

伯母は曖昧に笑うだけでした。祖父に話しても同じ、微笑むだけ。祖父は普段から無口なのでいつも通りでしたけど

 

なんていうか自分の感動というか温度が伝わらないもどかしさはありました

 

「みんなノリが悪いなあ」と今なら抗議する所ですが、当時は興奮してそれどころじゃありません

 

「なあ、あんなの見たことないよな!」

「う、うん……そうね。気持ち悪かった」

妹は同意を求めても怖がるばかり

 

私は誰彼構わず捕まえては自慢したのでした

 

一週間後

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楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、とうとう九州へ帰る日

 

私や妹は真っ黒に日焼けしていました。盆踊り大会、海水浴、花火、バーベキュー、沢山の楽しい思い出に不思議な蟻の記憶もすっかりと埋もれていました

 

「気をつけて帰るんだぞ」

 

伯母夫婦や従弟、祖父、他にも多くの親族が見送りに集まってくれました。ちなみに親族は同じ山に住んでます

 

母は皆と別れの挨拶を交わしています

 

私は従弟と笑顔でふざけ合い、祖父から貰ったお小遣いを握りしめてはしゃいでました

 

そこでふと親族の方を見た私は、何気なく

「〇〇君、渡部のおじさんってどの人?」

と従弟に聞きました

 

もうね、この時点で違和感バリバリですよ。当時の自分もそう言った直後におかしな発言をしていることにすぐ気づきました

 

だって私は渡部のおじさんにスイカを持って行った当事者なわけですから、当然渡部のおじさんに会っているはずなのです。自分が知らないなんておかしな話ですよ

 

従弟は不思議そうに

「渡部のおじさんにって誰?」

「え……誰って……」

 

いや、わからんし

 

伯母や妹とスイカを運んで、蟻の大移動を見て、おじさんにスイカを届けた

ちゃんと渡した記憶はあるのです、でも顔がなぜか思い出せない。それにどういう道順で行ったのかも記憶がはっきりしない

 

「〇〇ちゃん、渡部のおじさんの顔は覚えてる? 家の場所は?」

妹に聞くと首を振ってます

 

「渡部って名前は覚えてるだろ?俺たちスイカを運んだよね。蟻が沢山いたもんな」

妹は頷きました

 

自分の頭がイカれたわけではないらしい

 

既に嫌な予感はしましたけど、でも確かめずにはいられない

 

伯母に渡部のおじさんについて聞いてみると、彼女はキョトンとした顔で

 

「渡部のおじさんって誰?」

「……」

 

案の定伯母は私達と一緒にスイカを運んだことを「何のこと?」と言いました

 

違和感はあったのです。私はあの日、スイカを運んだ帰りにダッシュで祖父の家に戻りました。伯母を置き去りにして。興奮してみんなに早く蟻の大移動を話したかったから

 

それなのに家に戻ったら伯母がいたんですよね

ちょっと変だなとは思いましたけど、深く考えませんでした

 

そもそもよく考えてみると私と妹と伯母という組み合わせが不自然なのです

私が行動する時は仲良しの従弟がいつも一緒にいました。伯母ならばそれを知ってるので私たちだけを連れて用事を済ませるはずがない。必ず自分の子供も連れていくはず

 

「うーん……なんで?」

 

私はそれ以上騒ぎませんでした。わけがわからないとブツブツ言うだけ

これが今だったら

 

きええええ、祟りじゃーー!? アメージングストーリーいいいい!!!

 

と病院に収容されるレベルで大騒ぎする自信がある

 

でも当時の子供な私は

 

うーん、よくわからんけど、まあいっか

 

でこの話をポイですよ

 

えっ? なんでそんな冷静なん

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それから大人になって、2回ほど酒の席で伯母さんとその話をしました

やはり知らないと言われました。渡部のおじさんなんて人は存在しないらしい。蟻の大行進については、私が見たような大規模なものは聞いたことがないらしい

つまり小規模なら見たことあるのか……

 

妹にも時々この話をすることがあります

 

「……ああ、そんなこともあったね」

 

彼女は詰まらなさそうにそう言うだけ

覚えてはいるようですが、実にどうでもよさそう。あれほど蟻にビビッてた癖に

 

「おい、待てよ。どう考えてもクレイジーな体験だろ、なぜそんなに冷めてる? 蟻の大行進を見た驚きはどこいった」

 

と抗議しても「別に……」とにべもない

 

自分たちが会った渡部のおじさんが誰なのか、一緒にいた伯母さんは偽物だったのか、それとも何か事情があって嘘ついたのか

 

どう考えても異常なことだらけなのに妹はめっちゃクールですよ。というより興味を失っている

 

自分はこれまでに何度もこの不思議な体験を人に話ました。蟻のことも

でも話を聞く人の顔が、年寄りの戯言を優しく受け止めるような生暖かい顔なので

 

ああ、このまま話すとヤベー奴扱いされそう、と察知して口を閉ざしたのです

 

実際オチがないですからね。蟻と渡部のおじさんと伯母さんに関連がないし

実は渡部のおじさんが昔亡くなっていた、とかだったら幽霊話として盛り上がるけど

 

まとめ

子供の時の話なので何か記憶違いがあった可能性はあります。ただそれを加味しても不思議な体験でした

 

でももしかしたら……

 

妹の反応を見て思ったのですが、大抵の人は子供の頃に不思議な体験をしてるんじゃないでしょうか

 

でも、なぜか、ある時を境に、人知を超えた力が働くのか、摩訶不思議な体験をしたにも関わらず感動できなくなる

 

「ああーたしかに俺トトロに会ったことあるわ。で、それがどうかしたの?」

「そういや昔、豚になって金色の野に降り立った気がするけど……まあいっか」

 

って感じ

 

素敵な体験をしたはずなのに情感をもって物事を認知できなくなる

 

たぶん童心を忘れてしまい、心が穢れたのです。ダメな連中ですよまったく

 

夢だけど夢じゃなかった精神はどこいった

 

私なんてジブリアニメだけじゃなくジブリのスタッフが作ったと言われる『バステュスティアの輝き』というエロアニメまで見たけどこの通りです。純心を失っていませんよ

 

はあー、やだね大人って。こういう連中はロミオの青い空を見ても泣かないんだろうな

 

昔は世界が静かで誰もが精霊の声を聴ける時代があった、とか何かの小説で読んだことがありますけど

 

本当にそうなのかもね


と、この不思議体験を通じて思うことがあります

 

おしまい

 

もう1つの不思議体験はまた今度

 

 

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