相変わらずコロナな世間ですがいかがお過ごしでしょうか
私の店はコロナの影響が心配でしたがどうにか赤字を免れました。非常事態宣言の時みたいにならなくて良かったとほっとしてます
しかし寒くなればインフルエンザが増えるでしょう。その影響がどういった形で現れるのか予断を許しません
先日、友人が店にやって来ました。
PS4で遊んでいた私を見て
「お前を見てると俺でも自営業者になれるような気がしてきた。個人事業主になろうかな……」
と非常に無礼なことをほざいてました。
でも会社を辞めたいのは本当らしいので色々と愚痴を吐いて帰っていきましたよ
その数日後、今度は大学時代からの友人と話をする機会がありました。「相談がある」と連絡があったのです
その時にラインのビデオ通話機能を初めて使いましたが想像よりもずっと映像が鮮明で驚きです
「よう久しぶり、元気だった?」
彼は東京に住んでいるので年賀状のやり取りや年に数回電話で話すことはあったけど顔を見たのは7年ぶり
それなりに老けてましたね。お互いに40代、きっと彼も私を見てそう思ったことでしょう
「実は仕事を辞めて自営を始めようと思うんだけど……」
ずっとサラリーマンをしていたけど会社勤めにうんざりしたらしい
これまでにも何度か「辞めたい」と上司に相談していてそのたびに慰留され、気分を変えるためにモロッコへの転勤を願い出てそれがようやく叶った今年の3月、コロナ騒ぎですべてが白紙に
気持ちが切れてしまったと
いくつかやってみたい商売があるけどまだはっきりとは決めてない、自営業をしている私からの意見を聞きたい
そんな話を彼はしました
嫁もいて子供もいるから不安はあるらしい。勇み足なのは承知してるけど今の会社に骨を埋めるつもりはないと断言してました
「別にいいんじゃねとりあえずやってみれば。自営は楽よ。面倒くさい上司もいないし規則もないから好き勝手できるし」
私はそう答えました
「何をするのか決めてもないのに会社を辞めるのはリスク高いよ。せめて計画を立てて冬のボーナスまで我慢したら」
なんてことは言いません
だってどうすれば商売が上手くいくかなんて誰にもにはわからないから。彼のように勢いで行動する人間のほうが成功することだってあります
堅実なプランを立てても失敗する人はするし。緻密なビジネスプランを喜ぶのは銀行の融資担当だけですよ。彼らは融資はするけど成功を保証してくれるわけじゃありません
それに自分の経験的に『ビジネスを語る』人で長く商売が続いた人は少ないです。胡散臭い自称成功者は多いけど
私はそこそこ長く自営業をしてきたけど秘訣なんてないです。むしろ余計にわからないことが増えて迷います
いつもお金のことを考えて帳簿を見てウンウン唸ってストレス?にもなるので良いことだらけではないけど、お金がないとボヤきながらキャバクラ行ってPS4の『キングダム・カム・デリバランス』を買っちゃいました。
絶賛プレイ中です。本当に悩んでいるのでしょうか
とりあえず自営業の向き不向きはやってみないとわからない
仮に商売を失敗したとしてもたいして困ることはないでしょう
この国は社会福祉制度がそれなりに整ってます。制度をしっかりと把握して上手く利用すれば飢え死にすることはまずありません
そりゃあ失敗して収入が減れば子供の習い事は減らさなきゃけないかもしれない。奥さんにはパートしてもらうかも。マンション手放して県営団地に引っ越す可能性もある。でもそれって別に悲劇的なことではないし絶望することでもない
肩身を狭く感じて自殺するなんてもってのほかですよ
そんなことを友人と語り合ったのでした
途中から自分のトークに熱が入ってる自覚はありました
その理由についてはすぐ思い当たりました
たぶん一昨日の夜に見た自民党総裁選の特集番組が影響していたのだと思う
失業率と自殺数
経済状況の悪化と自殺者数の増加には相関関係があるのは有名な話です
失業率の改善と自殺者の激減が示す、日本経済「明確なひとつの答え」(竹中 正治) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
特に男性は完全失業率の高さに合わせて自殺者が増える傾向にあります。自殺者の7割は男性で女性は男性に比べて自殺者が少なく失業率に影響されない
テレビを見て感じた違和感
最近話題になっているのは自民党総裁選です
安倍首相が体調不良で辞任。総裁選の立候補者が揃いつつあります
一昨日に仕事を終えてテレビをつけるとニュース番組をやってました
自民党の岸田文雄さんがゲスト。彼はまだ正式な出馬表明をする前ですが男性キャスターが経済対策を質問してそれに答えてた
「……失業率が1%増えると自殺者が1000人増えると言われてます。だからこそコロナの感染を防ぎながら経済も回していくことが重要――」
そんなことを岸田さんは言ってました
うん、別におかしな話じゃない
だけどその時の私は妙に違和感を持ってしまった
どこに?
それは彼の話す内容じゃなく『失業率が1%増えると自殺者が1000人増える』という件です。それをなんでもないように普通に話す岸田さん
『失業者が増えれば自殺者が増える』
確かにありふれた話です。人の営みが経済活動中心になった現代社会では起こりえる事象
にもかかわらずその時の私はそれを当たり前に告げる岸田さんにひっかかりを覚えたし、それを当たり前にこれまで受け入れていた自分に違和感を感じました
失業者が増えれば自殺者が増えるって当たり前のこと……かな
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ずいぶん昔の話です。会社員2年目の冬に同僚の父親が自殺しました。父親が失業して家を手放すことになったという話は同僚本人から聞いていたのですが、その数日後の出来事でした
親父さんはカーセックスの穴場的人気スポットの雑木林で車内に排ガスを引き込んで死んだのでした。窓には漏れを防ぐために念入りに布テープを貼って
私は同僚から父親の自死を聞かされた時、心の中で「ああ、そうか」と普通に納得してしまいました。ありえる話だよなって感じで
ひっそりと開かれた通夜に参列した時、沈む表情の遺族を見た時
自殺すると遺族が悲しむのだなという至極当然な感傷に至っただけで、失業して自殺したことに何の疑問も深い考えもなく納得してました
なのに岸田さんの話を聞いた時の私は
なんで失業したくらいで自殺しないといけないんだよ? おかしくね
と八つ当たり気味に反発しちゃった
もちろん岸田さんはコロナ対策の話をしてるのであって失業率や自殺云々は主たる話題でないから流しただけでしょう
でもそこに注意を払わない岸田さんの姿に世間の風潮みたいなものを感じとってしまった
たかが働き口を失うだけですよ。また別口を見つければいいし、収入が減れば出費を抑えるなりバイトするなりすればいいだけ。いい年して恰好悪い?妻や子供が見下す? そんな家族ろくなもんじゃないですよ
失業者が増えれば自殺者が増えるという状態を自然に受け入れる社会ってかなり異常なのでは?
もちろん失業して自殺するといっても単純な話ではなく様々な要因が複雑に絡んだ結果でしょう。借金とか親の介護とか家のローンとか鬱とか持病とか
私も母親の認知症が長いので面倒をみながら経済活動を両立させることの大変さは死ぬほどわかります。そりゃもう
それでも失業して自殺者が増えるのは自然であって欲しくないです
不思議な感覚でした。なんで今更そう感じたのか
自分で選択した結果の自殺ならば言うことはありません。でも世間に何となく漂う価値観とも言えぬ曖昧なものを押し付けられて追い詰められての自殺ならばあまりにも馬鹿げてる
失業して自殺した人を愚弄してるわけじゃないですよ
職を失うこと、収入が減ることに罪悪感を恥を感じさせる社会に「そりゃないぜ!」というロックな気分というか九州の中心で文句を叫びたくなったのですたい
なぜでしょうね。コロナのせいかな。これはマジで革命闘士になれというお告げでしょうか
とりあえずつかこうへいの『初級革命講座飛龍伝』を読み直そうと思いました
おわり