最近はテニスクラブのコートを借りてテニスをしています
ビジター料金は割高だけど仕方ないです。普段利用してる公共のコートが使えないから
私の住む県ではコロナ禍によって公共の運動施設は全て閉鎖中
おかげで民間のテニスクラブはどこも大繁盛してます。テニスができなくなった我々のような人間が集まるからです
ちなみに屋外のテニスクラブに関しては休業要請は出ていません
たまに違う環境でテニスをするのは良い気分転換になります。普段は人工芝コートでプレーしてるのですが借りたコートは全米仕様のハードコートでした。思ったより球足が遅くて打ちやすい
腰を落とすって難しい?
私たちの練習中、隣のコートではレッスンが行われていました
中級者?クラスかな。六人のアダルトなスクール生がレシーブでの構え(レディポジション)についてコーチから教わってました。
コーチの話を聞いてる生徒は間隔を空けて立ってます。一応、生徒同士が接近しないように配慮してるようですね
レシーブとは相手からのサーブを打ち返すプレーのことです。サーブの打球は速いのでそれに対応できるように構えは重要だったりします
説明が終わるとコーチは自分が構えてみせ、生徒にも真似させる
「〇〇さん!姿勢を低く、もっと腰を落として、違います! 膝を曲げるんじゃなくて腰を落としてください! そうしないとボールに対して瞬時に反応できませんよ」
コーチから注意を受けるおばちゃん生徒。彼女は「姿勢を低く、腰を落として」と言われたので文字通り腰を地面に近づけるように膝を曲げてます
自分ではできてるつもりなのでそれを否定されてあたふたしてました
うんうんわかるぜ、『腰を落とす』はわかりにくいよね
『腰を落とす』テニスに限らず野球、バレー、ラグビーなどの球技ではよく聞く言葉です。俊敏な反応を求められる競技では必須の姿勢
日常生活でも『重い荷物を抱える時は腰を痛めないようにしっかりと腰を落として持ち上げましょう』なんてよく聞きます
色んな状況で応用の利く超基本的な動き
恐らくどんなに運動音痴の人でも日常生活では自然に行ってると思う
ところが人に言われて『腰を落とす』を実行すると、とたんにわかりにくくなる動きでもあります(運動神経がそれなりに良い人は除く)。さっきのおばちゃんのように大人は真面目なので指導者のアドバイスを実直に受け止めてしまい余計に混乱する
運動神経のあまり良くない人は他人の動きを真似るのが苦手です、末端の重要ではない特徴を真似してしまい根幹の部分を見逃してしまう
なにより状況によって求められる姿勢がいくつもあるにもかかわらず『腰を落とす』という言葉の使用範囲が広すぎるせいでもある
今日はそんな『腰を落とす』について二つのパターンに分けて書いてみようと思います
スポンサーリンク
骨盤の前傾を意味する?
さっきのテニススクールの例で話すとおばちゃんは「姿勢を低く、腰を落として」と言われたので、できるだけ地面に腰を近づけようと膝を曲げて頑張った。下の画像のように
この姿勢は滅茶きついです
しかしコーチがお手本でやってみせた姿勢は
とてもリラックスしてる
骨盤を前傾させた姿勢は口で説明すると意外とわからない人が多い
引用:OurAge
両脚は動かさずあくまで骨盤だけを倒す。お臍を前に倒す。あるいはお尻を後ろへ突き出そうとすれば骨盤は前に倒れる
二つの画像を見比べるとわかるけどコーチの姿勢は「腰を落とせ」と言ってるわりに腰の位置は高い
昔のテニスでは膝を曲げてしっかり腰を落とさないと怒られました。しかし現在は膝を軽く曲げていればあんまりそこにこだわらないのが主流です
膝の曲げ幅や腰の高さには個人差があるけど、素早く動こうと思ったら骨盤を軽く前傾させるのは誰でも同じ。子供の場合は反復横跳びをする時の姿勢がこれ
ちなみに球技においては次の動作が絡むため骨盤の倒し過ぎには注意する必要があります
骨盤を前に倒すとその分だけ上半身も倒れる。しかしテニスならラケットでボールをヒットする時、野球ならば投球モーションにおいては上体の軸を立てる必要がある(そうしないと球の軌道が安定しない)だから骨盤は軽く傾けるにとどめ、胸を起こしておく
おばちゃんはコーチが膝を曲げているのを見てそれを一生懸命真似しようとしてたけど、彼女が真似するべきポイントは骨盤にあったと思う
しかしコーチが「姿勢を低く、腰を落とせ」というからおばちゃんは混乱した
「テニスはとりあえず忘れて貴方にとってボールに素早く反応するための動きやすい姿勢をとってください」と伝えた方が理解できたかもしれない
教える人間は運動神経が良いので自身が当たり前にできてる部分を見逃しがちです。教わる側は指導者の言葉を素直に吸収しようとするので説明には細心の注意が必要だと思う
膝を曲げて骨盤を軽く前傾させる姿勢はバレーのレシーブ時や野球での内野手の姿勢もだいたい同じです
細かいポイントは指導者によって違います。『腰高』を良しとする指導者もいればそれを許さない人もいる。お尻の突き出し角度にこだわる人もいる。この辺は指導者ごとに持論があり、あんまり書くと荒れるので割愛
スポーツ、あるいは鬼ごっこ等の遊びであっても素早く動こうと思えば膝を軽く曲げ骨盤を前傾させることは基本です
もし自分の子供さんを見て「なんかコイツ動きが悪いな」と感じることがあればそこだけでも確認してあげるといいですよ。それができてるだけでパフォーマンスも見栄えも全然違う
生まれながらに運動神経の良い人は確かにいます。しかし運動神経が並みや悪いと言われる人でも動きを知るだけでぐっと変わる
骨盤を前傾させない
今の説明とは逆に『腰を落とす』と説明されても骨盤を前傾させてはいけないパターンもあります
それは重い荷物を持ち上げる時です
重い荷物を抱える時は、骨盤を前傾して荷物を持ち上げると腰に負担がかかります。腰痛の原因になる
腰の負担を避けるためには上体を真っすぐに立てたまま、脚の力で持ち上げる必要があります。そのためには荷物に可能な限り近づいて持ち上げる
まとめ
『腰を落とす』と説明される姿勢でも状況によってこれだけ違います
運動神経の良い人は自然に使いわけができる。悪い人でも意識しなければできてるはず
しかし悪い人は誰かに姿勢を教わる時に型にこだわり過ぎて上手くいかなくなることが多い。その結果自分は下手くそだと勘違いしてしまう、そのスポーツを楽しめなくなる
こういった動きの基本は子供のうちに知っておけば怪我の予防にもなるし、それまで運動やスポーツが苦手だった子が好きになるきっかけになると思う。誰だって上達すれば楽しいですからね
もちろん大人になってから知っても遅くないです。どういった対象に教えるかにもよるけどそういう人の方が指導者に向いてることもある
おわり