前回の話はこちらの記事を読んでください
ツバメの巣を修理して一週間が経ちました
すげえ、うるさいです
ツバメの奴、大きくなるのが早すぎませんかね
巣が落下した時はまだ歩くこともできない灰色の雛だったのに、今は見た目が普通にツバメです
あの野鳥独特のコマ送りみたいな動きで首を振ってはギャーピー鳴いてます
そんなのが5羽もいて植木鉢はギュウギュウですよ
「早く出てけニート」と言われても文句を言えないくらい立派な体
本当に成長が早いな……
ツバメが孵化してからどれくらいの期間で巣立つのか調べてみました
↑のサイトを参考にさせてもらいました。足りない情報は色んなサイトからちょこちょこ拾ってます
孵化してから巣立つまでにかかるのは
およそ3週間らしい
巣作りから巣立ちまでの期間は?
- 巣作りは巣を再利用するなら修理するだけなので数日。一から作る場合や途中で壊れたりなどトラブルに遭えば1カ月はかかることも
- 巣作りを終えたらすぐ産卵。卵は1日1個~2日で1個のペースで生み、平均数は3~7個
- 卵が孵化するまで(抱卵日数)はだいたい2週間
つまり問題が起きなければ巣作りから巣立ちまでは6~7週間程度といった所か
暖かい南国で冬を過ごしたツバメは、3月の終わりから4月にかけて日本に飛来し巣作りを開始します
巣立ちの時期は6月が最も多く、9月になることもあるらしい。これは日本列島が縦長で寒暖に差があるから。寒い土地だと餌になる虫が見つかりませんからね。自然と飛来時期が遅れ、巣作りや繁殖も遅れるようです
へえ、複数回繁殖するんだ
知らんかった。6月に巣立ちを終えた後、親鳥たちはもう一度卵を産むことがある。しかもそういう個体は少なくない。3回繁殖することもあるらしい
げ、それじゃまたこの植木鉢で卵を産むかもしれんのか
子供たちから守るのも大変なんだけどな
3日前には小学生たちが石を集めて巣を攻撃してましたからね。ギャッギャとはしゃいで
グレムリンかな
っていうか私の店の敷地に堂々と入り込んでますからね、きゃつら
どこから集めたのか結構な数の石を地面に積んでました
しかも巣の傍には多数の蛍光灯が設置されてます。投げた石が外れて蛍光灯が破壊されるのは時間の問題
破片が降り注いでツバメが怪我するのは困る。ここの大家さんは適当なので、片づけと修理は私がするハメになるのも見えてる
だいたいそんなデカい石を当てたらツバメが死ぬ
捕まえて説教タイム
「次やったらお前らの学校に行って説教だかんな」
「は~い」
ちなみに彼らの通う小学校は私の母校でもあります
子供たちは相変わらずへらへらしてますが、「その石が当たったらツバメが死ぬぞ」と言った時にちょっと驚いてました
たぶんそこまで想像できなかったんだと思う
勉強になったな、おじさんに感謝したまへ
そんな訳でここ3日間はちょっかいをかける小学生を見ません。ツバメたちは平穏に過ごせてます
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飛行訓練はちょっと不思議な光景
昨日から親鳥が子供に
飛べよ
って発破をかけてます
ピューと巣の近くまで飛んできて、子供たちは餌をくれるのかと期待してギャンギャン鳴いて、でも親はすぐにUターンして飛び去ってしまう
そんな行為を何度も繰り返してました。最初は意味が分からなかったけど、ああこれは子ツバメに飛行を促してるんだと気づきました
しかも両親以外にも飛行訓練を手伝ってる個体がいたんですよ。親鳥の友達? よくわからんけど飛行訓練は3、4羽が混じって賑やかな様子でした
皆で巣の近くをホバリングしては子ツバメに気合を入れてます
ググったらあらビックリ。親以外の手伝ってる個体はヘルパーと言うらしい
そしてさっき4羽が飛行に成功しました。まだそんなに長く飛べないのか木の上でじっと休憩してます
残りの1羽はまだかかりそう。コイツだけ体がちょっと小さいです。頭にちょこんと産毛が残っててアホ毛みたいに立ってます
うーん、上手く写せない
置いてけぼりかと心配してたら親鳥が来て餌を与えてました
巣立ちに成功したら子ツバメは自由に飛んでいなくなるのかと思ってたらそうじゃないみたい
10日ほど親と過ごすようです。まだ自分で餌が取れないので親から餌を与えられる。その間に餌の取り方や飛行技術を学ぶ。その後は若鳥だけでグループを作って飛び回り始める
飛べるようになったといはいえ子ツバメはしばらく巣で寝泊まりする
良かったな、まだ兄弟で一緒にいられるじゃん
まとめ
ツバメの観察をしていて意外だったのは
『思ったよりも親鳥の情が厚いな』ということでした
もっとドライかと思ってた。生き残れる奴だけを育てるみたいな
今回は落下したにも関わらず5羽全部が巣立ちを迎えることができそうです
これってかなり運が良い。雛同士でも生存競争はあるし、親以外のツバメやスズメが巣を襲うこともあるから。カラスや蛇に襲われることも多い
しかしこれからがもっと大変
巣立ったツバメの半年後の生存率は13%。つまり南国を目指して海を渡る時にはほとんどが死んでる
それほど天敵が多く弱い鳥ということです
彼らが人間の生活圏に巣を作る理由がわかります
寿命は7~10年と言われていますが全うできる個体は奇跡に近いでしょう
親鳥は生きている限り同じ土地に巣を作る傾向があります。なのでまた会える可能性はある。しかし子ツバメが生まれた場所へ戻ることはないそうです
近親で交わってしまえば血が濃くなり弱い子孫を残すことになってしまうから。それを避けるために遠く離れるのです
だからこの子ツバメたちを見られるのもあとしばらくの間だけ
生き残れよ!
おしまい